マイクロソフトがNEXTプロジェクトの成果を発表--立命館小学校で公開授業を実施

山下竜大(編集部) 2006年11月23日 00時47分

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 マイクロソフトは11月21日、次世代の教育環境を実現することを目的に、同社と4つのモデル校で取り組んでいる「NEXT(Next-generation Educational eXperience with Technology)プロジェクト」の成果を発表する場として、立命館小学校(京都市北区)で公開授業を実施した。

 NEXTプロジェクトは、生徒および教師が1人1台のPC環境を実現することで、ITを最大限に活用できる教育環境を実現し、その効果を実証するプロジェクト。マイクロソフトの執行役 公共インダストリー統括本部長である大井川和彦氏は、「学力の向上や公務の効率化、保護者/地域との連携を目的に、ソリューションを開発し、新しい教育モデルの実戦に向けた実証実験を行っている」と話す。

公開授業風景 立命館小学校では、電脳陰山メソッド「かんじ」を利用した漢字の書き取り練習や、理科の授業および学級活動などでウルトラモバイルPCを活用している。

 モデル校のひとつである立命館小学校では、3年生4クラスの児童122名全員に小型軽量のウルトラモバイルPCを提供し、次世代の教育のあり方を模索している。今回の公開授業では、電脳陰山メソッド「かんじ」を利用した漢字の書き取り練習や、理科の授業および学級活動に、いかにウルトラモバイルPCを活用しているかが紹介された。

 陰山メソッドは、立命館小学校の副校長である陰山英男氏が開発した新しい教育の方法論。基礎、基本を徹底して反復学習することで脳を鍛え、基礎学力を定着させることで、子どもたちの“やる気”と“チカラ”を引き出すことができる。陰山氏は、「“書いて覚える”は、学習の基本。手書き入力で何度も書いて消せるウルトラモバイルPCは非常に有効だ」と話す。

電脳陰山メソッド「かんじ」 陰山メソッドは、基礎、基本を徹底して反復学習することで脳を鍛え、基礎学力を定着させる。
 陰山氏は、「教育機関は、将来グローバルに活躍できる人間を育てることが任務であり、学力もちろん、体力、人間力を養うことが重要になる。そのために、テクノロジを効果的に活用していきたい」と話している。

 同じことを何度も繰り返す反復学習は、デジタル化が効果的なことから、小学館の協力のもとで手書き入力の電子教材として開発されたのが電脳陰山メソッド「かんじ」だ。電脳陰山メソッド「かんじ」は、手書き入力された漢字の筆順、形、はね、長さまで判定が可能。効率的な漢字学習が可能になる。電脳陰山メソッド「かんじ」をによる書き取り練習により、立命館小学校の生徒は漢字検定において100%の合格率を実現している。

 また、理科および学級活動におけるウルトラモバイルPCの活用では、生徒1人ひとりが気になっていることをテーマに自由研究を行い、その成果をウルトラモバイルPCを使って発表。このとき、Microsoft エンカルタで必要な情報を調べ、エンカルタから必要な写真をPowerPoint上にコピー&ペーストし、レポートを作成してPowerPointでプレゼンテーションして見せた。

 立命館小学校の教頭、荒木貴之氏は、「無線LANの設定が子どもたちには少し難しかったようだが、今回のシステム化で技術的に困ったことはほとんどなかった。フィラデルフィアの学校に視察に行っていた間もメールにより、子どもたちのモチベーションを高めることができたのはテクノロジのおかげだと思っている」と話す。

 「今回の自由研究を行うにあたり、PowerPointの使い方を教えたのは3時間だけ」と荒木氏。とはいえ、休憩時間もウルトラモバイルPCを手放さないという。すでに恒常的にゲームや携帯電話を使いこなしている現代っ子には、ウルトラモバイルPCも目新しいテクノロジではないようだ。

 マイクロソフトの代表執行役社長であるDarren Huston氏は、「今日の授業を見て、非常に感銘を受けた。日本の教育機関は欧米に比べるとPC普及率はまだまだ低い。ネットワーク環境など解決すべき課題は残っているが、少しずつ前進していきたい。教育の現場からさらに広い分野へとテクノロジによるイノベーションを拡大していきたい」と話している。

マイクロソフトと立命館小学校の関係者 写真左より、立命館小学校の荒木教頭、陰山副校長、Microsoft InternationalのJean-Philippe Courtois社長、マイクロソフトのDarren Huston社長、マイクロソフトの大井川氏。
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