「外国人技術者の受け入れで得る利益は大きい」--技術者不足解決に向けて

藤本京子(編集部) 2006年11月28日 18時27分

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 日本の人口減少がIT業界にも影を落としはじめている。技術者不足のため開発が進まず、封印された案件が増加しているというのだ。人材紹介業を中心に事業を展開するプロマート 代表取締役の奥山昌俊氏は、「技術者不足に歯止めはかからない。外国人を積極的に採用すべきだ」と語る。

 技術者不足が進む日本だが、外国人技術者を積極採用する動きは特にない。その理由のひとつとして奥山氏は、移民の受け入れに対して積極的に声をあげる政治家がいないことを一因として挙げる。「人口が少なくなることはわかっていても、国策として外国人雇用を進める考えがない。しかし民間ではすでに外国人の受け入れが徐々に進んでいる」と奥山氏は言う。

奥山氏 外国人技術者の受け入れについて語る奥山氏

 人材紹介業と同時に技術者派遣も行うプロマートでは、派遣登録している技術者の大半が外国人だ。その中でも中国人技術者が約半数を占めているが、奥山氏は「中国では大学でもトップクラスの人たちがコンピュータサイエンスを専攻しており、真面目で技術力も高い」と評価している。「派遣先の企業も、外国人の技術力の高さを認めている。日本人の派遣人員より評価が高いことも少なくない」(奥山氏)

 特に、漢字文化で育った中国人や、文法が日本語と類似しているとされる韓国語圏出身者などは、日本語習得も早く、仕事の引き合いも多い。中国でも特に東北部では日本語を話せる人が多いほか、第2外国語として日本語を勉強する中国人もいるため、「コミュニケーションに不自由しない人も多い」と奥山氏は話す。

 ただ、外国人技術者がすべて日本語に長けているというわけではない。そのため、こうした技術者は日本国内のプロジェクトで上流工程に入れてもらえないことも多いのだという。また、言葉の問題だけでなく、「日本人であれば何も言わなくてもわかってくれる」という文化的な考えから、技術力よりもコミュニケーションしやすい人材が選ばれるケースがあることを奥山氏は指摘する。

 コミュニケーションの難しさは、外国人部下を持ったことのある奥山氏自身も経験している。外国人に対しては、日本人にとってあたりまえと思えるようなことも説明が必要な場合もある。また、「日本に正規ルートで入ってくる外国人は優秀なため、プライドが高く自己主張もする。あまりにも優秀すぎる人は使いにくい場合もある」と奥山氏も認めている。

 ただし、「企業がグローバル化するにつれ、外国人雇用のみならず、コミュニケーションの方法が多様化するのは避けられない」と奥山氏は指摘する。コミュニケーションレベルが多少下がっても、滞ったプロジェクトを少しでも進める方が有益だというのだ。

 「例えば電話回線でも、固定電話のみだった時代は音質が非常に高く、コミュニケーションに支障をきたすことはなかった。新技術が発展し、携帯電話やIP電話が登場した際、音質は固定電話ほどでなくとも、受け入れることでより大きな恩恵を受けることができた。これと同じで、開発現場でも新しい風を受け入れることで利益が拡大する」(奥山氏)

 奥山氏は、外国人技術者について「競争に勝ち抜いた人たちだから、競争は苦にならない」と話す。外国人雇用の拡大で、企業のグローバル化と競争力向上につながることもあるのかもしれない。

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