WebDAVもあっさりと利用可能に
無事Apache2が動作したので、続いてWebDAVを設定する。WebDAVは、“Web-based Distributed Authoring and Versioning”の略だ。つまり、ウェブサイトのコンテンツを読むことにだけ使っていたHTTPプロトコルを、コンテンツを書いたりバージョン管理できるように拡張しようというものである。
WebDAVは、すでにWindowsやMac OS Xでサポートされている。たとえば、Windowsであれば[ネットワークプレースの追加ウィザード]、Mac OS Xであれば[サーバへ接続]を使うことで、WebDAVが動作するマシンにアクセスしてファイルを操作できる。
また、ウェブサーバと同じプロトコルやポートを使うため、WebDAVではSambaやFTPのような専用ポートを用意する必要がない。これは、セキュリティを考慮しなければならない部分がその分だけ少なくなることを意味している。
さらに、先ほど設定したApache2には、WebDAVの機能を実装したモジュールがデフォルトで含まれている。このようなメリットがあるならば、WebDAVを使わないわけにはいかないだろう。
Solaris 10でWebDAVを利用するための設定は、3つの手順で終わる。まず、WebDAVで使用するディレクトリを用意する。次に設定ファイルhttpd.confに記述を追加し、最後にApache2を再起動する。これだけだ。では、まず、WebDAVで使用するディレクトリを用意しよう。
WebDAVで使用するディレクトリは、マシン上のどこでもかまわないのだが、後々の管理の手間などを考えて/var/apache2にサブディレクトリとして作成することにする。これまでと同様にsuコマンドを実行した後、次のように入力してサブディレクトリwebdavとlockをそれぞれ作成する。
そして、次のように入力して、作成したディレクトリの所有者とグループを“webservd”にそれぞれ変更する。ちなみに、“webservd”は、Solaris 10でのApache2の実行ユーザーと実行グループである。