#8:コメントに注意を払わない
自身のブログにコメントの投稿を許す場合には、その内容に対しても常に責任が発生する。ブロガーのなかには、言論の自由を優先して「何でもあり」という雰囲気を放置しておく者もいる。しかしそんなことをすれば、一部の激昂した読者や挑発的な読者がブログの主導権を握り、扇動的なコメントを投稿したりコメント戦争を始めたりしかねない。
憲法で保証されている言論の自由は、政府による言論の抑圧に対してのみ適用されるのである。あなたのブログにおいては、あなた自身の家の中と同様に、そこにいる人々に対して適切な作法に従って行動するか、そこから出ていくかのいずれかを選ぶよう要求することができる。不快感を与えるコメントを投稿するような手に負えない読者に対しては、そのコメントを削除したりブログへの投稿を禁止したりすることが可能であり、そうするべきなのである。
#9:サイトの内容を確認せずにリンクする
自身が訪問したことのないサイトや、ちょっと訪問しただけというサイトへのリンクを掲載するブロガーは驚くほど多い。リンクをブログに掲載する前に、リンク対象サイトの内容をよく調べ、あなたの読者層にとって適切な内容かどうかを確認しよう。例えば、ブログを教会のグループのために書いているのであれば、まったく有害性のない面白いビデオを紹介するためであったとしても、ポルノショップの広告が表示されるサイトへのリンクを掲載したいとは思わないだろう。
このほか、リンクするサイトの内容を確認する理由としては、そのサイトが実際に稼働しているかどうかを確認することもある。これは当たり前のことのように感じられるだろうが、前日のブログ投稿の中にデッドリンクを見つけるのは珍しいことではない。あなたのブログが、とても人気があり、トラフィック量も多いのなら、リンクを掲載する前にそのウェブサイトの所有者に許可を得ておく方がよいだろう。リンク先のサイトの帯域幅が狭い場合、リンクがもとでトラフィックが急増して、そのサイトのサーバがダウンするおそれがあるからだ。
また、リンク先のサイトにアクセスすると大きな音や音楽が流れる場合には、事前に読者にその旨を知らせておくことが適切なネチケットだ。読者はあなたのブログを職場から読むかもしれない。サイトにアクセスしたとたんに60デシベルで最新のラップミュージックが流れるよりは、事前にスピーカーの音量を絞ったりミュートボタンを押したりできる方が好都合だろう。
#10:これらのルールにとらわれてしまう
本稿やブログの作法を取り上げた同様の記事は概して、ブログの印象と成否を左右する要素に関して一連の指針を与えようとしている。こういった「ルール」はいずれも絶対的なものではなく、そのいくつかを破っているにもかかわらず絶大な人気を誇っているブログも存在する。
ブログによって達成しようとすることとそのために冒すリスクを決定するのはあなたである。ブログの美点(そして弊害)は、ルールが存在しないということだ。書くべきことや書くべきではないこと、あるいはどう書くべきか、どう書くべきではないかをあなたに指示する編集者は(たいていの場合は)存在しない。また、収益を気にする財務責任者も、法的責任について念を押す弁護士もいしなければ、あなたの書きたい内容は不適切であると告げる検閲者もあなたの良心以外にはない(ことが多い)。投稿記事の公開後には多くの批評家が現れるというものの、どのような投稿であれ、あなたの公開を事前に止める人はいないのである。
メディアを支配する者は世界を支配する。ほとんど誰もがメディアの一端を支配し、少しばかりの力とそれに伴う責任を持つことを可能にしてくれた今日のテクノロジに感謝しよう。