インターネットサービスなしでVoIP?
最も革新的なデバイスのひとつに 「ChatterBug」がある。ChatterBugは通常のアナログ電話線の差し込み口とアナログ電話機の間に設置する。市内通話の場合には固定電話線が使用されるが、遠距離通話の場合には同社のVoIPサーバが利用されるようChatterBugによって回線の切り替えが行われる。
月額10ドルを支払ってこのサービスを利用すれば、遠距離通話が掛け放題になる。そして、このサービスはコンピュータもインターネット接続も必要としないのである。ChatterBugの価格は30ドルだ。またChatterBugには、音声用とファクス用にVoIPラインを1本ずつ備えた「ビジネス」バージョンも用意されている。また、ChatterBugは他のVoIPソリューションとは電話線から電力を得るため、停電時にも利用することができる。
個人ユーザーの抱えるVoIP問題の解決策も
電話会社とおさらばして、電話を「すべてVoIPに」しようとする一般家庭のユーザーや小規模企業にとって大きな壁となるのが、監視機能付きセキュリティアラームシステムのためのアナログ回線の必要性である。NextAlarmが展示していた「VoIPAlarm」という新製品は、セキュリティアラーム/火災報知システムの監視にVoIPの回線を使用することでこの問題を解決している。
VoIPAlarmの料金は、固定電話を使用する大半の監視・警報サービスよりも格段に安価だ。オペレーター常駐の同社センターと接続し、警察や消防の出動要請もしてくれるプランは月額11.95ドルである(わたしは以前、Monitronicsに一カ月あたり32ドルを支払っていたことがあり、現在はGuardianに毎月18.95ドル支払っている)。
このサービスでは、アラームが鳴ると電子メールまたはポケベルによって通知してくれるし、従業員の朝の出社と夕方の退社を通知してもらうこともできる。また、特定の時刻にアラームが解除されない場合に通知するよう設定することもできるし、ログが記録されるようになっているため、後でそれをセキュアなウェブサイトでチェックすることもできるようになっている。
ビジネス用途VoIP製品もリッチ化
最後に、特にビジネス顧客を狙ったVoIP製品をいくつか紹介したい。RCAは、Asteriskを始めとする人気の高いIP PBXの多くと連携する魅力的なデスクトップモデルを展示していた。
また、VoIPビデオ電話機もいくつか展示されていた。中でも目を引いたのがOjoの製品だ。その電話機はSIPをベースにブロードバンドでインターネットに接続し、PCを介さずとも利用することができる。また、7インチという大きなビデオ画面が目の高さに、そしてその下にコードレス受話器が備えられている。なお、全二重のスピーカー機能を使って通話することもできる。ビデオ電話と通常のVoIP通話の双方が可能であり、Secure RTPと128ビットAES暗号化によってセキュリティレベルを強化できる。
毎度のことながらCESの展示フロアは混雑しており、圧倒的な数の展示物があったため、見逃してしまった優れた製品もあったに違いない。とはいえ、今年のCESではVoIPユーザー向けのものが多数展示されていたことに違いはなく、今後これらの製品を使ってみるのが楽しみだ。