インテル、80コアプロセッサをデモ - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-02-13 17:06

 また現時点では、同チップをメモリに接続する方法が存在しない。Rattner氏によると、Intelはこのプロトタイプチップの上に配置可能な積層メモリチップを開発中であり、メモリチップの次世代設計についてメモリメーカーと議論を交わしているという。

 メモリとの接続が解決すれば、次にIntelの研究者らは、世界中の広範囲な用途に向けた汎用プロセッシングコアを構築する方法を考案しなければならない。Rattner氏は、製品としてリリースするまでにはやはり5年はかかると同社は考えていると述べた。

 しかし、80コアチップの最大の課題は、その性能を最大限に活用できるソフトウェアの記述方法を考案することだろう。PCソフトウェア業界では、やっとマルチコアプログラミングに着手したところである。サーバソフトウェアもそれより少し先を行く程度である。Microsoft、Apple、Linuxの各コミュニティーにおいて、そのパソコンOSで80個もの独立した処理ユニットを効率的に使用できるようになるのはかなり先になりそうである。

 In-StatアナリストのJim McGregor氏は、「CPUの大部分を制御するのはOSであり、OSが変化しなければならない」と述べた。どのようにして複数のプロセッシングコアにタスクを分割するかという問題を指して同氏は、「処理を分割するという点において、OSはさらにインテリジェントになる必要がある」と述べた。

 Rattner氏は「ここではわれわれすべてが共に前進していると思う」と述べた。「コアの性能が向上し、それを効率的に利用する技術が伴えば、適用可能な用途はおのずと開けてくる」(Rattner氏)。Intelはツールやライブラリの構築において同社のソフトウェア開発者をトレーニングすることにより、この前進をスムーズなものにしたいと思うと同氏は述べた。

 Intelは、微分方程式を解くアプリケーションを実行し、同チップをデモした。3.16GHzで、0.95Vをプロセッサに加えた場合、62Wの消費電力で1テラフロップの性能が得られた。Intelはサンフランシスコのあるホテルでのこのデモのために、特別なマザーボードと冷却システムを用意した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]