ブレードサーバとブレードPC--セキュリティと管理の課題を一挙に解決?

文:Tim Ferguson(CNET News.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、坂野裕史

2007-02-22 08:00

 セキュリティと管理の課題を一挙に解決するとも期待されるブレードサーバとブレードPC。ベンダーは売り込みに躍起だが、そのメリットとデメリットを含めて、Q&A形式でどのようなものかを紹介する。

--「ブレード」って「剣」のことでしょ?昔のサムライが敵を斬るのに使ったアレ?

 言葉の意味としては間違いではないけれど、「ブレード」という言葉は、企業向けのIT分野で急速に普及しつつあるテクノロジを指す場合もあるんだ。

 ブレードというのは基本的に、コンピュータシステムやネットワークにそのまま差し込むことができるよう標準化されたコンポーネントのことなんだ。

 各ブレードは、ハードウェア一式が1つの薄型の装置に組み込まれたもので、この装置をコンピュータラックのスロットにすばやく差し込んだり取り出したりすることができる。

 ここでは、ブレードサーバとブレードPCという2種類の「ブレード」について説明しよう。

--じゃあ、ブレードサーバとブレードPCは何が違うの?

 まずはサーバブレードについて説明しよう。サーバブレードは通常、ぎっしり部品が並ぶ小型コンピュータで、プロセッサ、記憶装置、メモリを搭載するためコンピュータとして完結していて、サーバラックのスロットに差し込まれる。データセンターの一部として使われることが多いんだ。

 ラックには電源、冷却装置、ネットワーク装置が設けられていて、ブレード側はネットワーク上のコンピュータ(クライアント)が必要とするサービスを提供する。

 ディスクレスブレードというものもある。これはハードディスクがないサーバで、アプリケーションは実行されるだけで格納されない。

 つまり、アプリケーションは特定のハードウェアやプラットフォームに結び付けられていないので、ブレードの入れ替えが可能になっているんだ。

--なるほど。じゃあ、PCブレードは?

 PCブレードは基本的に、通常はタワー型のPCの中にあるのに、ラックマウントシステムに差し込むブレードに合わせて搭載されたCPU、メモリ、ハードディスクなどのハードウェアのことだ。

 こうすれば、ユーザーの机にあるのは、ブレードに接続するためのポートと、キーボード、モニター、マウスだけになる。普通は机の下にタワーPCが置いてあり、その中にプロセッサとメモリがあるんだけど、それらはサーバルームに収納されていて、離れた場所から処理を行うんだ。

--スマートなやり方のようだね。でも、何がそんなにすごいの?

 まずブレードPCは、オフィスのあちこちにタワーPCが個々に置いてあるよりも断然セキュリティが優れているんだ。ハードウェアをサーバルームに収納してあるから、IT担当者は目を光らせておくことができるので、怪しい人物がただPCに近づいてUSBメモリスティックを差し込み、データを盗むといったことは不可能なんだ。

 ブレードサーバではデータが別の場所に保存されるから、システム障害が発生した場合により安心だとも考えられているんだ。

--それはよさそうだ。他には?

 サーバブレードはラックマウント型であるため、高い処理能力をサーバルームに押し込むことができるので、必要な設置面積が小さくて済む。これは大量のデータを処理する必要がある企業にとっては大きなメリットなんだ。

 ブレードPCにすると、普通のワークステーションを置いた場合よりオフィスが整然として、オフィススペースも節約できる。また、ブレードPCから発生する熱の影響はコンピュータルームに限られるため、オフィスの温度を下げることになる。つまり冷房用の電気代が安くなり、仕事の環境はより快適になるんだ。

--他にもメリットがあるの?

 どちらのブレードの場合も、ハードウェアが1つの場所に置かれて問題の特定と解決が簡単になるため、ITシステムの管理が容易になる。ソフトウェアやハードウェアのアップグレードも、システムからシステムへとオフィスをあちこち移動する必要がないから簡単になる。これで、他の問題の解決のために時間やリソースを空けられるのさ。

 もうブレードを使っている企業に聞くと、投資を短期間に回収でき、保守費用も減らせそうだとコメントしている。

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