Second Life 新世界的ものづくりのススメ--その2:夕方、久しぶりに彼女に会う

大槻透世二(デジタルハリウッド大学院) 2007年02月22日 08時00分

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夕方、久しぶりに彼女に会う

 窓の外は茜色に染まろうとしていた。そんな景色をよそに、私はいつものように午後を過ごした。毎日の見慣れた風景、それは私の人生をただ通り過ぎていた。同じように日々繰り返されるオフィスの人たちの行動。夕方になって営業が戻ってくる。そして1日の終わりには、がらんとしたオフィスで数人の社員が遅くまで仕事をする。それは変わりない会社の日常だった。

 いつもなら私もそんな社員の1人だ。しかし、今日は珍しく予定を入れることにした。夕方、さくらに会うのだ。彼女は半年前、私がこの会社に転職した時に偶然再会した大学時代のサークル仲間だ。当時から彼女は仲間達の間では高嶺の花だった。容姿端麗、そして頭脳明晰とは彼女のためにあるような言葉だと、彼女と会った時思った。実は私も彼女の隠れファンの1人だった。

 彼女は時間よりも10分ほど前に現れた。しばらく連絡を取っていなかった私に対し怒る風でもなく、彼女はいつものように笑顔だった。おいしいイタリアンが食べられるという彼女の勧めで、今日は彼女についてその場所に行くことにした。最初に一通りお互いの近況を話した後、彼女の口から出た言葉に私はびっくりした。

 「ねぇ、Second Lifeって知ってる?」
 「えっ?」
 「いや、引退後の生活とかそういうのじゃなくて、Second Lifeっていう仮想空間の中で生活するようなサービスがあるの。最近よくネットで調べ物をすると、よく行き当たっちゃうのよね」

 知っているも何も、その話をしようと思ってたんだけど。

 「私、大学時代にコンピュータとか、オンラインワールドの経済社会とか、そういうのを研究してたのよね。だから実はそっち方面に結構詳しいんだ」

 な、なにっ? そうなのか。そんなこと知らなかったぞ。そういえば、別に授業のテーマなんてあの頃関係なかったからなぁ。あの頃は一緒にバカやってるだけで何も考えてなかったっけ……

 「それでね…… 聞いてる?」
 「う、うん聞いてるよ」
 「ちょっと相談したいと思ってたの」

 あまりにもタイミングが良すぎるじゃないか。

 「実は私、結婚したんだ」

 えっ?

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