ゲレンデに急ぐ途中で起きた惨劇
ある冬の週末、私が友人と長野へスキーに行った時のことである。週末の天気予報は晴れ、前日までの降雪でコンディションも最高だ。早起きしてスキー場へ向かっていると、スキー場まであと少しというところで突然タイヤがパンクしてしまった。「トランクにスペアタイヤも工具も入っているから大丈夫……」と思ってスペアタイヤを取り出し、十字レンチでナットをゆるめようとすると、なんと4種類のレンチサイズがすべてナットに合わないのだ。その車は、数カ月前に私が友人から譲り受けたばかりのフランス車だった。譲り受けた時、スペアタイヤや工具が揃っていることを私自身で確認したのに、まさかレンチサイズが合わずにタイヤ交換ができないなんて。
結局私たちはJAFを呼ぶことにした。町から結構離れた場所だったためか、JAFの作業員が到着するまで1時間以上かかった。作業員はいろんな種類のレンチを持ってきてくれた。いくつか試して、やっとサイズの合うレンチが見つかった。タイヤ交換が終わって時計を見ると、すでにお昼近くになっていた。結局この日は午後からの滑り出しとなってしまった。
避難訓練は大事
コンピュータのバックアップも、単に日々の作業としてバックアップを取っているだけでは、いざという時役に立たないこともある。例えば、昔の8ミリテープなど廉価なテープ装置では、データの書き込みに失敗してもユーザーにエラーを通知しないものがあるのだ。この場合、せっかく日々努力してバックアップを取ったつもりでも、いざという時データを回復できないことになる。
しかし、人間どこに落とし穴があるかを予測するのは至難の業だ。やはりデータ復旧も実際にできるかどうか試してみるのが一番手っ取り早い。会社でも年に一度は避難訓練が行われている。データをバックアップする目的は、いざという時にこれを使ってデータを戻すことなのだ。本当にデータを戻したいのなら、億劫がらず定期的に訓練はやっておかねばなるまい。
それにしてもレンチの形が合わないなんて、今思い出しても腹立たしい限りである。その後、車を乗り換えるたびにレンチとナットのサイズを確認するようになったのは言うまでもない。
第8回筆者紹介備えあれば憂いなし?
川島 久美 (かわしま くみ)
日本IBM ibm.com事業 システムe-セールス営業部 ストレージセールススペシャリスト
職務:ウェブや電話によるストレージ製品の営業活動
一言:縁あってストレージ専門家の皆様に混じり、営業部門からコラム執筆に参加させていただきました。私は、幕張事業所でウェブや電話、メールを使ってお客様にストレージの提案を行っています。お客様にIBMのストレージの良さを知っていただくためには、自分自身が何十倍もストレージに熟知していないければいけないと痛感しています。今回の万川集海のコラムは、私自身も大変勉強になりました。皆様もこの機会にストレージのことを知っていただき、お客様とストレージについての会話がはずむことを願ってます。