一足先にSaaS 2.0モデルへの進化を遂げたセールスフォース・ドットコム

山下竜大(編集部) 2007年03月28日 18時36分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 IDGジャパンが3月28日〜29日の2日間、都内で開催しているSaaS(Software as a Service)専門のカンファレンス「SaaS World Conference & Demo 2007」初日の基調講演にSalesforce.comのワールドワイドコーポレートセールス&サービスプレジデント、Frank van Veenendaal氏が登場。SaaS 2.0実現に向けた取り組みを紹介した。

 「20世紀半ばのプラットフォームは、メインフレームを中心とした集中型のプラットフォームであり、20世紀後半のプラットフォームはオープンシステムによる分散型のプラットフォームが主流だった。21世紀には、ソフトウェアが終焉をむかえ、オンデマンドが新たなプラットフォームになる」(van Veenendaal氏)

 この言葉を裏付けるように同社のサービスを利用する顧客企業はワールドワイドで2万9800社。日本だけでも3万ユーザー以上が利用しており、2006年には日本市場での成長率が40%を超えている。van Veenendaal氏は、「日本でもSaaSモデルの浸透が加速している」と話している。

セールスフォースのフランク・ヴァン・ヴィーネンダール氏 Salesforce.comのワールドワイドコーポレートセールス&サービスプレジデント、Frank van Veenendaal氏。

 SaaSモデルが加速している理由を同氏は、「従来のソフトウェア開発は複雑でコストがかかりすぎる。また、導入期間も長期にわたり、専任のスタッフによるメンテナンスやアップグレードが必要になる。こうした理由からソフトウェア開発の50%は失敗していると言われている」と話す。

 そこでSalesforce.comでは、コンシューマウェブサイトからイメージを得て、現在のサービスモデルを作り上げている。「GoogleやYahoo!、iTunes、eBay、amazon.comなどは、専用のソフトウェアを導入しなくてもサービスを利用できる。ビジネスアプリケーションがコンシューマウェブサイトのように簡単に利用できないのはなぜか考えた」とvan Veenendaal氏。この発送から生まれたのが、Salesforce.comだ。

 「従来のように複数のソフトウェアを高いメンテナンスコストを支払って1つひとつ導入し、ひとつのプラットフォームとして統合するのではなく、ひとつのプラットフォームに複数のサービスを導入するマルチテナント方式によるビジネスウェブを実現することが必要になる」(van Veenendaal氏)

 つまり、独立した店舗が並ぶ商店街を造るのではなく、テナントを寄せ集めたショッピングモールを造ることが効果的ということだ。独立した店舗では、ブームが去ってもその店舗を違う店舗に造り直すのはたいへんだが、テナント方式であれば容易にテナントを入れ替えることが可能。変化に柔軟に対応することができる。

SaaS 2.0に進化したSalesforce.com

 Salesforce.comが次に目指す世界がSaaS 2.0だ。同社が実現するSaaS 2.0では、アイデアから開発、掲載、プロモーション、販売、請求、回収までの一連のプロセスをライフサイクルとして提供する。具体的には、IdeaExchangeでアイデアを出し、Apexで開発、AppExchangeでプロモーションを行い、AppStoreで販売するという仕組みを実現する。

 van Veenendaal氏は、「顧客企業は、コミュニティでアイデアや意見を交換し、アプリケーションを短期間に構築し、商業的な成功を収めることができる」と話す。IdeaExchangeで交換された意見やアイデアは、Salesforceの最新版である「Spring '07」にも反映されている。

 「我々は常に進化していく。拡張性はこの2年間で7倍の1日に7000万トランザクションを処理できるようになり、アクセス性能は2倍に向上している。ソフトウェアの未来は、電機や電話のように、より一層ユーティリティコンピューティングへと進化していくだろう」(van Veenendaal氏)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
クラウドコンピューティング

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

  • デジタル変革か?ゲームセットか?

    デジタルを駆使する破壊的なプレーヤーの出現、既存のビジネスモデルで競争力を持つプレイヤーはデジタル活用による変革が迫られている。これを読めばデジタル変革の全体像がわかる!

  • 「奉行シリーズ」の電話サポート革命!活用事例をご紹介

    「ナビダイヤル」の「トラフィックレポート」を利用したことで着信前のコール数や
    離脱数など、コールセンターのパフォーマンスをリアルタイムに把握するに成功。詳細はこちらから