企業情報をブックマークする--その可能性と見えてきた課題

平古場浩之(みずほ情報総研) 2007年04月04日 08時00分

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 ファイルサーバにグループウェア、そして電子掲示板…… 多くの企業では、ナレッジマネジメントや情報共有を実現するために多くのITツールを導入し、業務を進めていく上で必要な情報やノウハウが散逸しないよう、これらを蓄積するためのツールを導入してきた。しかし、このような情報共有基盤が整備されていくにつれ、蓄積される情報量が爆発的に増加してしまい、「必要とする情報が見つからない」「読み落としてしまう」といった情報洪水に陥っている企業が多い。

 また、こうした情報に気づいてもらい、読んでもらうために管理者がメールや掲示板等で繰り返し通知することもあり、同じ情報やファイルが複数飛び交うなど、かえって「どれが本来確認するべき情報なのかわからない」といった問題を引き起こしている。このため、私たちナレッジワーカーには自分が業務上必要とする情報を、この情報洪水の中からいかに効率的に見つけ出すことができるか、あるいは再利用しやすいようにどう整理しておくか、といったスキルが求められている。

ソーシャルブックマーク--Enterprise 2.0の実現ツール

 こうした情報の氾濫を解決する手段のひとつとして、一部の企業で「ソーシャルブックマーク」の採用が始まった。ソーシャルブックマークは、インターネットに溢れる膨大な情報の中から自分が再び利用すると思われる情報を後から探しやすくするため、そのURLを登録(ブックマーク)し、これを自分だけではなく他人にも共有する仕組みを提供する。

 ブックマークを共有することで、同じ情報をブックマークする他の社員や自分が気づかなかった情報の存在に気づくことができる。ブックマークという社員ひとりひとりのナレッジを活用し、企業全体の情報収集能力の底上げにつなげようとするアプローチは、企業におけるWeb 2.0、つまりEnterprise 2.0とも言えるもので、その実現ツールとしてソーシャルブックマークが期待されている。

ソーシャルブックマークとソーシャルニュース

 ソーシャルブックマークは、「他人にブックマークを見られている」ことを逆手に取った活用法も考えられる。収集した情報を評価するのだ。つまり、他人がブックマークした情報に評価コメントを付して、他の社員に対して周知することもできる。こうしたインターネット上のサービスは特に「ソーシャルニュース」と呼ばれており、アメリカの「Digg」や日本における「newsing」等のサービスがこれに相当する。

 企業内の利用でも、情報の種類によってブックマーク的な使い方をする場合とニュース的な利用をする2パターンがあると考えられる。例えば、表1のように報告書や技術的なノウハウなど、どちらかというと再利用性の高いストック情報はソーシャルブックマークの対象とし、逆に社外メディアのニュースや社内連絡等のように、情報の新しさが求められるフロー情報はソーシャルニュースの対象とするといった使い分けもあるだろう。

表1:ソーシャルブックマークとソーシャルニュースの違い
ソーシャル
ブックマーク
ソーシャル
ニュース
対象となる情報 報告書やノウハウ、ストック系の情報 ニュースや社内連絡などフロー系の情報
目的 情報を再利用するための体系的な整理、分類 未見のユーザーに対して周知する、気づき
誰のために 自分自身 記事を読んでもらいたい他のユーザー
タグの役割 フォークソノミー スクリーニング
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