Sun、高速版「UltraSPARC IV+」プロセッサを発表

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-04-04 10:42

 Sun Microsystemsは米国時間4月3日、今週に入ってアナリストが今四半期のハイエンドサーバ不振に懸念を表明したのに合わるかのように高速版「UltraSPARC IV+」プロセッサを発表した。

 UltraSPARC IV+は、数年前にドットコムバブルが崩壊して以来ライバル各社に奪われてきたマーケットシェアを取り戻しつつあるSunにとって、その復活劇の一部を担ってきた製品ともいえる。前モデルが1.8GHz動作だったのに対し、新型プロセッサには1.95GHzと2.1GHzの2種類がある。

 UltraSPARCサーバの売上高は12月31日締めの四半期に18%増を達成し、同製品ファミリーは比較的好調な四半期決算を記録した。しかし今週に入って、2人のアナリストがその勢いに衰えが見えることを、複数のSun製品販売チャネルパートナーの話に基づき指摘していた。

 Sanford C. BernsteinのアナリストToni Sacconaghi氏は2日に出したレポートのなかで、「チャネル各社を調査したところ、Sunの第3四半期(3月末決算)は、米国を中心にここ数四半期の数字を下回ったようだ。これは、ハイエンドサーバとストレージで顕著だ。Sunが掲げる利益率10%の目標はまだ確定しておらず、ここ最近のサーバ関連の勢いを維持するのは難しいかもしれないと思う」と述べた。

 Sunの格付けを「市場平均」から「市場平均以下」に引き下げたSacconaghi氏は、Sunにとって、Intelの新しいデュアルコアや4コアのXeonプロセッサを採用したサーバが用意されていないことも痛手となっている、とも考える。同社では、これらのモデルを6月末までに追加する予定。

 Merrill LynchのアナリストRichard Farmer氏は、Sunは「興味深い復活を遂げた」と今も考えているが、2日には懸念も表明している。Farmer氏は、「最初の1カ月は堅調だったが、われわれの調査からは、Sunが例年季節的に弱い3月締めの四半期でも2006年の勢いを維持しようと悪戦苦闘しているように感じる。ハイエンドサーバが例年の季節変動以上に弱く、ローエンドの方が好調のように感じる」と語っている。

 Sunでは、SPARCに関して多数の変更を用意している。2007年前半には、富士通と共同開発し、富士通の「SPARC64」プロセッサを使ったUltraSPARC IV+シリーズ直系の全く新しい「Advanced Product Line」モデルを投入する。

 次に登場するのがSun独自の新シリーズだ。同社既存の8コアNiagaraチップは一度に32種類のタスクを処理できるが、「Niagara 2」ではこれが2倍の64種類に増える。最初のNiagara 2システムは2007年後半登場予定で、デュアルプロセッサ版Niagara 2モデルは2008年前半に登場の予定。

 Niagaraのハイエンドバージョンで、「Rock」というコード名を持つ16コアのチップは2008年後半に登場予定。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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