“火の鳥”が舞う--Firebirdが日本で初めてのイベントを開催 - (page 2)

田中好伸(編集部)

2007-04-19 17:56

Oracleとの互換性を重視

 2007年のQ2(4〜6月)にリリース予定とされている次期版の2.1では、「FirebirdはよりSQL標準に準拠する」(加藤氏)ことになる。2.0でのCREATE SEQUENCE構文のサポートは「SQL:1999」に準拠することになったが、2.1では「SQL:2003」に準拠するため、「CREATE TRIGGER」構文が追加されることになっている。

 また2.1での特徴としては、「Fyracle」の機能を取り込むことが予定されている。Fyracleは、Janus Softwareが開発している、FirebirdでPL/SQLやダイナミックSQLを実行できるようにするツール。2.1では、このFyracleの機能を取り込むことで、よりOracleとの互換性を重要視するとしている。2.1でのそのほかの主な機能としては、DBトリガー、トランザクショントリガー、SQL文のキャンセル、グローバル一時テーブルなどが挙げられている。

「FLAP」でウェブアプリを開発

 イベントではまた、Firebirdを利用したアプリケーションの事例も紹介された。紹介された事例は(1)アペックスが開発する、新築分譲マンション内覧会向けスケジュール管理システム「内覧KING」、(2)有限会社モイネットが開発している、調剤薬局向けレセプトシステム「ファーミー」、(3)オーエスエスブロードネットのネットワーク統合監視システム「OPEN ADMIN/OPEN STM」シリーズ、(4)ORCAプロジェクトによる主治医意見書/訪問看護指示書作成ソフト「医見書」と、給付管理・介護報酬請求業務での帳票作成を支援するソフト「給管鳥」、(5)肇ソフト開発の「工事台帳 for Firebird」――の5つになる。

 (1)の内覧KINGは、新築の分譲マンションで多数の入居者を対象にした内覧会で、日程の重複や確認ミスを防止するためのものだ。マンションでの内覧会では、デベロッパー、ゼネコン、マンションの管理会社の3者が関係することになり、マンションの入居者が内覧する際には、この3者の間での内覧会のスケジュール調整が必要であり、その管理は複雑にならざるを得ないという。内覧KINGは、そうした複雑なスケジュール調整をウェブで簡単に管理できるというものだ。

 開発したアペックスによると、内覧KINGは、Linux OSのサーバにFirebird 1.5とPHP 5を採用、ウェブサーバにApacheを使ったウェブアプリ。アペックスでは、この形式を「Firebird+Linux+Apache+PHP」であることから「FLAP」としている。

「DBが壊れたことはない」

 (2)のファーミーは、全国で約3万5000あると言われる調剤薬局を対象にしたもので、調剤の際に必要になる請求書(レセプト)を作成する機能がメインになる(業界ではレセプトを作成するコンピュータということで“調剤レセコン”と呼んでいる)。

 調剤レセコンでは従来、患者の管理や窓口での会計などの機能が中心だったが、これらに加えて現在では、患者への指導管理のための薬歴を電子的に管理する機能や、薬の在庫を管理する機能なども必要になっているという。モイネットが開発するファーミーでは、これらの機能をオプションではなく、標準で装備しているシステムだという。

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