オフィスアプリケーションは1つでない--価格性能比で考える - (page 2)

文:Deb Shinder 翻訳校正:吉井美有

2007-04-24 08:00

乗り換えるメリットは?

 他のオフィススイートに乗り換える最大のメリットは、かなり大きな金銭的コストを節約できる可能性があることだ。しかし、ユーザーと彼らをサポートする社内のIT要員の双方の学習コストも計算に入れるのを忘れてはならない。また、乗り換えるタイミングも重要である。Officeの新バージョンへのアップグレードが必要な時期に乗り換えることは、いずれにせよソフトウェアへの出費が新たに必要となる時期であるという点で、理に適っている。

 他のメリットとして、代替ソフトウェアスイートの中には、複数のプラットフォーム(WindowsやMacintoshだけではなくLinuxも含む)上で動作可能なものもあるということが挙げられる。

 また、Microsoftのものではないオフィススイートを使用することに対して理念的なメリットを見出す企業もある。

代替製品としてどのようなものがあるのか

 Officeから乗り換えることを決めた場合、複数の代替製品の中から選択することができる。例えば下記に示すソフトウェアが候補になるだろう。

WordPerfect Officeファミリ(Corel)

 その昔(1980年代〜1990年代初めにかけて)「WordPerfect」は、1990年代にMicrosoft Wordにその地位を奪われるまでワープロソフトとして1位の座にあった。あいにくWordPerfectの売上が落ち込んだことでその事業はWordPerfect CorporationからNovellへ、そしてCorelへと移った。現在は「WordPerfect Office X3」が販売されている。同製品には、ワープロソフトのWordPerfectに加えて、表計算ソフトの「Quattro Pro」、プレゼンテーションソフトの「Presentations」、電子メールソフトの「WordPerfect Mail」が含まれている。WordPerfect Office X3の価格は144.99ドル(Standard Editionへのアップグレード価格)から349ドル(Professional Editionの通常価格)までとなっている。また、Home Editionも99ドルで提供されている。さらに、ボリュームライセンスの適用も可能である。詳しい製品情報については、こちら (日本語サイトはこちら)を参照してほしい。

OpenOffice.org(Novell)

 ここ数年の間に登場したオープンソースのオフィススイートの中で最も人気のあるのはNovell版の「OpenOffice.org」である。これには「Writer」(ワープロソフト)、「Impress」(プレゼンテーションソフト)、「Math」(数式エディタ)、「Draw」(グラフィックパッケージ)、「Calc」(表計算ソフト)、「Base」(データベースのフロントエンド)が含まれている。OpenOffice.orgはGNU LGPL(GNU Lesser General Public License)に従って無償でダウンロードできるようになっており、65の言語に対応し、Windows、Mac OS X、Linux、Solarisなど複数のプラットフォーム上で動作可能である。OpenOffice.orgのより詳しい情報とダウンロードについてはこちらにアクセスしてほしい。ダウンロード可能なバージョンや対応言語、対応プラットフォームが両者で異なるので、試用する際にはあなたの会社のIT環境に合うものを選択してほしい。

iWork(Apple)

 あなたの企業がMacintosh OS Xの稼働するコンピュータを使用しているのであれば、Microsoft Office for Macの代替はAppleの「iWork」となる。iWorkには「Pages」(ワープロソフト)、「Keynote」(プレゼンテーションソフト)とともに、「iTunes」(音楽ソフト)と「iLife」(写真や映画を始めとするマルチメディアのためのアプリケーション)が含まれている。iWorkについては、79ドルという価格であるものの、表計算ソフトとデータベースソフトは含まれておらず、実際のところより家庭向けのソフトとなっている。iWorkでは、MicrosoftのWordおよびPowerPointで作成したドキュメントやプレゼンテーションをインポートすることができる。iWorkについての詳細はこちらを参照してほしい(訳者注:日本語ページはこちら)。

Google Apps Premier Edition

 Googleは2007年2月に、Officeと対抗するためにオフィスアプリケーションのオンラインホスティングサービスとして「Google Apps Premier Edition」を立ち上げた。その価格は1ユーザー当たり年額50ドルである。これには「Docs & Spreadsheets」や、ウェブページを作成して公開するためのツール「Page Creator」以外に、独自ドメインで利用できる「Gmail」「Googleカレンダー」「Googleトーク」のアカウントが含まれている。より詳しいことはこちらを参照してほしい(訳者注:日本語のサイトとしては、Googleアプリに関する説明がこちらに、Google Apps Premier Editionに関する説明がこちらで参照できる)。

まとめ

 中小企業はしばしば、厳しい予算ゆえにできるだけコストを削減する必要に迫られる。コストを削減する方法の1つとして、Microsoft Officeからより低価格なオフィス生産性向上スイートや、オンラインサービスモデルに乗り換えることも検討できるはずだ。

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