NovellのLinux担当マーケティングディレクターであるJustin Steinman氏によると、マイクロソフトが侵害されている特許の数を公表したことは、同社にとって良い側面と悪い側面の両方があるという。
悪い方の側面は、Novellがこのニュースを「イヤになる。まただ。このようなコメントは概して生産的でないと思う」と受け取った点だ、とSteinman氏は語っている。
良い方の側面は、このような力の誇示がNovellの利益につながる可能性だ。「Microsoftがわざわざ懸念を抱かせれば、われわれは安心して(顧客を)補償できる」とSteinman氏は語っている。だが、「記事の書き方がもっと違っていたら良かったかと問われれば、そうだと思う」と、全体的に見るとNovellは満足していない。
これまでのところ、財務面の影響は注目に値するものとなっている。Steinman氏は、「2007年第1四半期は、MicrosoftがNovellにとって最大の(営業)チャネルだった」と語っている。
Linuxカーネルのプログラマーの一人で、LWN.net編集責任者であるJonathan Corbet氏がこうしたことに反発している。同氏はパネルディスカッションで、Novellは、オープンソースのコードが不純だとの非難を実質的に正当化してしまった、と語った。
Corbet氏は、「われわれは、自分たちが書いたコードの品質を誇りに思っている。もし、私のコードが私のものではなく、Microsoftに税金を支払わない限りこれを配布することはできない、などとNovellが言ってきたら、まるで泥棒呼ばわりされた気持ちになる。これはコミュニティーの意見を二分するような行為だ」と語っている。
また、オープンソースソフトウェアが侵害しているとする235件の特許の詳細を明かさないMicrosoftを非難する意見が一部にある一方で、「知らぬが仏」だとする意見もある。
O'Reilly Mediaのオープンソースエバンジェリストで、「Perl 6」のコア開発チームでプロジェクトマネージャーを務めるAllison Randal氏は、「ダイナミック言語向け仮想マシン(Microsoftの.Netソフトウェアと類似した部分があると思われる技術)の設計者としては知りたくない。それを彼らが公表すれば訴訟の手続きが必要になってくる。そのような流れは望まない」と話している。
ストックオプションに関する状況についてNovellは23日に声明で、調査の結果、「Novellの元社員や現社員、幹部、役員による意図的な不正行為の証拠は見つからなかった」と述べている。
この調査では、Novellが1997年から2005年にかけて1900万ドルの報酬費用を報告していなかったことが明らかになったという。しかし、こうした数字は、その時期としては特別重要ではないため、同期間中に発表した同社の決算報告を見直す予定はないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ