運用の負荷が課題?--VoIP導入までの4つの障壁を考える

文:Deb Shinder 翻訳校正:吉井美有 2007年05月29日 08時00分

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 VoIPの人気は高まり続けているものの、企業環境においてユビキタスなものとなるにはまだいくつかの障壁が残っている。今回は、Deb Shinderがそういった障壁の中から主なものを4つ取り上げ、それらがVoIP導入における最大メリットの1つであるコスト削減効果をいかに損なうかを解説している。

 VoIPの通話コスト、特に長距離通話と国際通話のコストの低さに魅力を感じる企業が増えるにつれ、ビジネス界におけるVoIP人気は高まり続けている。iLocus ResearchによるVoIP業界年次報告書(同報告書は1990年代後半から毎年発行されている)によると、IP PBX市場は2005年から2006年の1年間で52%成長し、世界のブロードバンド利用通話サービス(VoBB)加入者(コンシューマーおよび企業の双方を含む)の数は2倍近くになったという。

 こういった数値の伸びは著しいものの、実際の利用率に目を向けると話は少し変わってくる。企業のVoIP利用率は半分以下であり、小規模企業に限れば4分の1にも満たない。コスト削減効果が素晴らしく大きいというのであれば、なぜもっと多くの企業、特に従来の電話システムに大金を投じていない小企業がVoIPに切り替えていないのだろうか?

 「VoIP Magazine」は2006年に、小規模企業の半数と大規模企業の3分の2が2010年までにVoIPを(電話によるコミュニケーションニーズすべてを置き換えるとは限らないものの)利用するようになっているだろうと予測した。VoIPプロバイダーはこの予測を現実のものとするために、電話会社の電話サービスからIPベースの電話サービスへの移行を多くの企業に思い留まらせる原因となっている障壁を取り除かなければならない。こういった障壁のいくつかについて以下で解説している。

信頼性に関する懸念

 電話の利用者は、長年にわたる実績を誇っている従来の公衆交換電話網(PSTN)のおかげで「甘やかされて」しまっている。コンシューマーや企業で働く人々は、コンピュータはダウンすることもあるという事実を受け入れる一方で、電話システムはそれよりもずっと高い信頼性があって当然だと思っている。彼らは、受話器を上げればダイヤルトーンが聞こえてきて当然だと思っているのである。ユーザーは、自身の利用する電話システムが盤石の信頼性を備えていなければ我慢できないのだ。

 電話は企業にとって、社内における従業員同士のコミュニケーションのためのみならず、顧客やパートナー、仕入先と絶えず連絡を取り合うために不可欠なものである。電話が故障して利用できなくなると業務は止まってしまうか、少なくとも生産性が大幅に低下するため、企業は大きな損失を被ることになってしまう。

 VoIPの信頼性は、数年前に比べてはるかに高くなっている。しかし、信頼性に欠けるという認識が未だに残っているため、慎重なマネージャーにVoIPの導入を決断させるためにプロバイダーはこういった認識を打開しなければならない。

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