業界タイムマシン19XX--Trip3:いにしえの国内標準機、PC-9800シリーズ - 4/6

大河原克行

2007-06-01 08:04

……ようこそ、「業界タイムマシン」のコックピットへ。私は、ナビゲーターの大河原克行です。このコーナーでは毎回、IT業界の歴史を、当時の写真を交えながらご紹介していきます。今回のテーマは「いにしえの国内標準機、PC-9800シリーズ」です。
 1982年10月に登場したPC-9800シリーズは、日本を代表するパーソナルコンピュータであり、当時から「国民機」という呼ばれ方もされていました。パソコンの普及期においては、数々の98包囲網と呼ばれる対抗勢力を退け、市場シェア7割を超える圧倒的な地位を獲得していました。しかし、Windows 95を境にした国際標準への流れのなかで、国内標準だったPC-9800シリーズの「ガリバー神話」は崩れていきます。PC-9800シリーズの歴史のひと幕を、写真とともに振り返ってみます。
 それではこれから、あなたをIT業界の過去へと誘います……。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)
 PC-9800シリーズ向けにNECが発売した「MS-WINDOWS 3.0」のパッケージ。1990年5月の米国での出荷開始から9カ月後の1991年2月に出荷された。WINDOWS 3.0は、MS-DOS上で動作していたため、「PC-9800シリーズ専用」というように、各社ごとのパッケージが存在していたが、これをいち早く市場投入したのがNEC。他社は同年3月以降の出荷であった。写真からもわかるように、当時は5インチフロッピーディスク4枚で提供されていた。MS-DOS時代には、国内だけでメーカーごとに約10種類ものMS-DOSがあり、ソフトメーカーもそれぞれのOSごとにアプリケーションソフトを開発していた。その環境こそが、PC-9800シリーズの優位性につながっていたともいえるが、Windowsではそれを吸収。Windowsの進化とともに、PC-9800シリーズの優位性を奪っていったともいえる。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

 PC-9800シリーズ向けにNECが発売した「MS-WINDOWS 3.0」のパッケージ。1990年5月の米国での出荷開始から9カ月後の1991年2月に出荷された。WINDOWS 3.0は、MS-DOS上で動作していたため、「PC-9800シリーズ専用」というように、各社ごとのパッケージが存在していたが、これをいち早く市場投入したのがNEC。他社は同年3月以降の出荷であった。写真からもわかるように、当時は5インチフロッピーディスク4枚で提供されていた。MS-DOS時代には、国内だけでメーカーごとに約10種類ものMS-DOSがあり、ソフトメーカーもそれぞれのOSごとにアプリケーションソフトを開発していた。その環境こそが、PC-9800シリーズの優位性につながっていたともいえるが、Windowsではそれを吸収。Windowsの進化とともに、PC-9800シリーズの優位性を奪っていったともいえる。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

写真提供:大河原克行

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