次は第2層(レイヤ2)であるデータリンク層だ。データリンク層は、物理層からの「0」「1」の電気信号列を拾って「フレーム」に分け、意味のある塊としてインターネット層に渡す。もちろんその逆で、インターネット層からのデータをフレーム化し、物理層へ渡す働きもある。
また、そのフレームには、あて先(Destination)や送り元(Source)といった情報が加えられるため、論理的に隣接した機器間での接続を可能にする。このあて先や送り元には、「MACアドレス」という各ネットワーク機器に付与された世界に1つしかないアドレスが使われている。さらにこのフレームには、通信エラー検出や誤り訂正も実施されるので、そのフレームのデータが破損してないか否かも分かる。
ただし、この層での通信は同一ネットワーク内に留まる。すなわち、同一ホスト(サブネット)内でのみ通信が可能となる。では、ネットワークを越えて異なるノード間での通信を実現するにはどうすれば良いのだろうか。このあと説明する。
このレイヤ2での通信を可能にするのは、「スイッチ」や「ブリッジ」といわれるネットワーク機器だ。物理層の「リピータ」といわれるネットワーク機器もデータを転送するが、あて先が読めないので、意味のない(あて先のない)データまで届けてしまう。
データリンク層のプロトコルとしては、イーサネット、ATM(Asynchronous Transfer Mode、非同期転送モード)、FDDI(Fiber-Distributed Data Interface)、無線LAN等が挙げられる。イーサネットのプロトコルはIEEE802.3で、無線LANはIEEE802.11で決められている。スペック上で見かける「802.3ad」「802.11e」などがこのレイヤのプロトコルである。ただし、イーサネットのIEEE802.3は、物理層とデータリンク層の両方を定めている。