800種類から8項目を厳選--Windows Vistaで追加されたグループポリシー設定 - (page 2)

文:Deb Shinder 翻訳校正:吉井美有

2007-06-05 08:00

ハードディスクの設定

 「ハードディスクの設定」フォルダに含まれているポリシーは以下の2つのみである。

  • コンピュータが商用電源に接続されている場合、(指定した時間の経過後に)ハードディスクの電源を切る
  • コンピュータがバッテリ駆動している場合、(指定した時間の経過後に)ハードディスクの電源を切る

 このポリシーによって、コンピュータの非アクティブ状態がどの程度続けばWindowsがハードディスクの電源を切るかを指定することができる。この時間は1から999999までの秒単位の値で指定しなければならない。

通知の設定

 「通知の設定」フォルダでは以下のポリシーを設定することができる。

  • バッテリ切れの通知動作
  • バッテリ低下の通知動作
  • バッテリ切れ通知を行うバッテリ残量
  • バッテリ残量の通知を行わない
  • バッテリ低下通知を行うバッテリ残量

 こういったポリシーを用いることで、それぞれ(バッテリ低下とバッテリ切れ)の通知が行われるバッテリ残量を設定することができる。バッテリ残量に関するポリシーが有効になっている場合、通知を行うバッテリ残量をパーセント単位で指定する(例えば、バッテリ残量が10%になったら通知するようにしたい場合には10と指定する)。この設定を図Eに示す。

画像の説明
【図E:バッテリ低下およびバッテリ切れの通知を受けるバッテリ残量を設定することができる】

 通知動作ポリシーを用いることで、バッテリ低下またはバッテリ切れとして指定したバッテリ残量に達したときにコンピュータが行うべき動作を指定することができる。こういったポリシーを有効にした場合、動作は以下から選択することができる。

  • 何もしない
  • スリープ状態
  • 休止状態
  • シャットダウン

 バッテリ残量の通知を行わないポリシーは、その名の通りの内容である。このポリシーを有効にした場合、バッテリ残量がバッテリ低下またはバッテリ切れのレベルに達しても、ユーザーへの通知が行われない。

スリープの設定

 「スリープの設定」フォルダには12のポリシー項目が含まれている。各動作には2つのポリシーがあり、1つはコンピュータが商用電源に接続されている場合、もう1つはバッテリ駆動している場合のものとなっている。動作は以下の通りである。

  • スリープ状態への移行の抑止をアプリケーションに許す:このポリシーを有効にすると、アプリケーションやサービスはシステムがハイブリッドスリープ状態、スタンバイ状態、休止状態に入ることを抑止できるようになる
  • システムが休止状態に入るまでの時間を指定する:このポリシーを有効にすると、非アクティブ状態となってからどれだけの時間が経過すればシステムが休止状態に入るかを指定することができる。この時間は1から999999までの秒単位の値で指定する。
  • スリープ状態から復帰したときにパスワード入力を要求する:このポリシーを有効にするか、設定しないでおくと、システムがスリープ状態から復帰する際にユーザーに対してパスワード入力が要求される。パスワード入力を要求されたくない場合にはこのポリシーを無効にすることができる
  • システムがスリープ状態に入るまでの時間を指定する:休止状態に入るまでの時間指定と同様、値は秒単位で指定する
  • ハイブリッドスリープを抑止する:このポリシーを有効にすると、システムがスリープする(スタンバイ状態になる)際に休止ファイルが作成されなくなる
  • スリープ時にスタンバイ状態(S1-S3)を許可する:このポリシーを有効にすると、コンピュータのスリープ時にスタンバイ状態が用いられるようになる。このポリシーを無効にすると、コンピュータは休止状態(ハイブリッドスリープ状態)になるだけとなる

 Windowsの従来のバージョンでは、スタンバイ状態であれば作業内容をメモリに保存し、コンピュータを省電力状態にしていたが、休止状態では作業内容をハードディスクに保存するようになっていた。Vistaでは、スタンバイ状態と休止状態を1つに組み合わせたものとしてハイブリッドスリープ状態が登場した。この状態では作業内容がハードディスクに保存され、コンピュータがスリープ状態から復帰する際にスリープ状態に入る前の作業内容が(メモリから)復元される。

 しかし、グループポリシーを用いることで従来のスタンバイ状態を有効にすることも可能である。省電力規格ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)の定めるスタンバイ状態は以下の通りである。

  • S0:システムは稼働しており、作業準備ができている状態
  • S1:CPUへの電源供給が停止しており、RAMはアイドル状態だがリフレッシュされている。キーボードやマウスなどが利用されるとシステムは復帰する
  • S2(通常は実装されない):すべての機器への電源供給はS3同様に停止するが、RAMのリフレッシュはより迅速に行われる
  • S3:すべてのファンやハードディスク、その他の機器への電源供給が停止しており、作業内容はRAMに保存されている。キーボードやマウスなどが利用されても、コントローラによってはシステムが復帰しない場合もある
  • S4:すべてのハードウェアへの電源供給が停止しており、作業内容はハードディスクに保存されている。これは休止状態と同じである

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