アッカ、経営体制を一新--WiMAX参入に向けNTT色を払拭

永井美智子(編集部) 2007年06月06日 14時21分

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 アッカネットワークスは6月6日、経営体制を刷新すると発表した。次世代高速通信サービスのWiMAX参入に向けてNTT色を払拭し、中立的な通信事業者であることをアピールする狙いがある。

 NTTコミュニケーションズ出身である現代表取締役社長の坂田良男氏は取締役に退き、元日本アイ・ビー・エム常務取締役の木村正治氏が代表取締役社長に就任する。なお、6月6日付で木村氏は最高経営責任者に就任しており、8月開催予定の取締役会で正式に代表取締役社長となる。また、大株主の1社であるNTTコミュニケーションズが株式の一部を投資ファンドのイグナイト・グループに譲渡する。

木村正治氏 新社長に就任する木村氏。2006年に日本IBM顧問となり「教育業界など別の分野でがんばりたいと思っていた」というが、イグナイト・グループの紹介でアッカ社長就任を決めた

 具体的には、NTTコミュニケーションズが保有するアッカ株のうち、6214株(全発行済み株式の5.0%)をイグナイトBB投資事業有限責任組合に譲渡する。これにより、NTTコミュニケーションズの持ち株比率は14.7%となる。イグナイト・グループはアッカの創業時から同社に出資しており、今回の株式取得により持ち株比率はおよそ9%となる。今後もアッカ株を買い進める考えで、NTTコミュニケーションズの持ち株比率は今後さらに下がる可能性がある。

 WiMAXは2.5GHz帯を利用した高速無線通信規格で、総務省は2007年秋にも最大2社に免許を交付する方針。現在第3世代携帯電話サービスを提供している企業には免許を交付しない方針であるため、携帯電話事業者にとってはどの企業とパートナー関係を結ぶかが焦点となる。アッカはNTTコミュニケーションズの出資比率を下げることで、NTTグループ以外の企業とも提携しやすくする考えだ。

 新社長に就任予定の木村氏は、WiMAXによって新しいモバイル市場を切り開くと意気込む。水平分業型でさまざまなメーカーやサービスプロバイダと協業するほか、他社にネットワークを貸し出すMVNO事業も視野に入れている。

 「携帯電話事業者を含めて、水平方向でのアライアンスを確立したい。総務省などからは、通信のあり方がオープンに変わることを期待されていると感じている。特定の企業と一緒にやるというよりも、幅広い企業と協業していく。WiMAXが技術として新しくても、提供形態が限られていては次の時代を変えていくことにはならない」

 6月中にもWiMAX事業の企画会社を設立し、免許申請に向け動き出す。

 既存のADSL事業については、個人の加入者数がこれ以上大きく伸びないと見られることから、低コストで事業を運営できる体制を整える。「光ファイバが伸びているものの、1000万人程度はADSLを使い続けると見ている。それほど回線スピードを求めず、リーズナブルな価格を求める層をしっかりと獲得して利益が出る構造を作りたい。ARPU(加入者1人あたりの月額利用料金)は2000円くらいが底だろう」

 現在は売上のおよそ70%を個人向け事業に依存しているが、今後は法人市場を開拓してあらたな収益源とする考え。ソフトウェアベンダーやアプリケーションパートナーと協業し、中堅企業向けのソリューション事業を展開する。「これまでリアルタイム通信ができなかった駐車場管理やビルの保守、クレジット決済などは、安価なADSL回線を使うことできわめて効率的にできる。勝機は十分ある」

 木村正治氏は1948年生まれの59歳。東京工業大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。1998年に同社取締役、2000年に常務取締役に就任。また、IBMアジアパシフィック バイスプレジデント eビジネスソリューション担当、IBMビジネスコンサルティングサービス代表取締役社長などを歴任した。

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