カネ、ヒト、時間いらずのIT内部統制--第5章:社内のPCを守るために(準備編)

木村尚義 2007年06月11日 15時26分

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 この連載では、個人情報保護法、金融商品取引法(J-SOX法)など、内部統制に関連する法律の施行対象となる会社と取引のある中小零細企業が、今まで投資してきたIT資産(具体的にはWindows PC、Windows Server)を使い、カネ、ヒト、時間をかけずにIT内部統制の自主基準を推進することを目的とする。無理なく継続的に行える、中小企業での「内部統制」とは何かを考えることもテーマとしている。

生活では「多層防御」が浸透しているのにPCは?

 コンピュータシステムのセキュリティの話で「多層防御」などというと、いきなり退屈な話だと思われてしまう。そこで、PCの話をする前に、身近なマンションのセキュリティを例にして多層防御について説明しよう。

 最近のマンションでは、玄関のオートロックが人気だ。マンション入り口のオートロックでは、鍵を持っているか暗証番号を知らなければ、館内に入ることができない。ところが、このオートロックにも欠点はある。宅配業者などを装った悪意のある人物が、ほかの住人と一緒に入り込むことができてしまうことだ。

 そのため、各世帯には、館内の共有部分から自室への侵入を防止するためにドアに鍵をかける。鍵に加えてチェーンロックをかけることで、安全性はさらに高まる。

 万が一、不審者に進入されてしまった場合には、非常ベルで危険を知らせることもできる。また、館内各所に設置された防犯カメラは犯罪の抑止になるし、記録した映像により犯人逮捕の決め手にもなる。さらに、日ごろから住人同士があいさつをするなど声をかけ合っておれば、知らない人が入館した場合にもすぐに気付くことができる。

 このように例を挙げて考えると、マンションには多様な防御策が施されているのがよくわかる。ハードウェアの代表である鍵やチェーンの存在、非常ベルで駆けつける自治会といったソフトウェアが整って、マンションという組織におけるセキュリティシステムができあがっている。

 これが「多層防御」という考え方である。

 一方で、PCの世界はどうだろうか。

 中小零細の会社では、各マシンにアンチウイルスソフトウェアだけ導入して、あとは、何もしていないという例をよく見かける。中には、そのアンチウイルスソフトウェアでさえ、PC購入時のお試し版で、更新期限が切れたまま放置しているケースも多い。

 このようにセキュリティに対する意識が低くなりがちなのは、ソフトウェアや情報そのものには実態がなく、被害を受けたときのイメージを想像しにくいのが原因ではないだろうか。

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