リファクタリングも
月並な例だがソースコードのリファクタリングに応用した場合の例をみていこう。リスト10のようなソースコードを用意する。メソッドに一致するように表現を書いたら、リスト12のようにリファクタリング後の名前規則にそうように置換する。結果がリスト13だ。
リスト10 リファクタリング対象のソースコード
public int yourMethod1() { return 0; }
public int yourMethod2(int) { return 0; }
リスト11 ゲッターメソッドに対象をしぼって
Query replace regexp: \(\w+[(].*[)]\)
ここでは一致した文字列の内容を編集している。関数によって、一致した文字列の加工ができるわけだ。これは便利だろう。
リスト12 規定のメソッド名にそろえる
Query replace regexp with: get\,(concat (upcase (substring \1 0 1)) (substring \1 1))
リスト13 リファクタリング後のソースコード
public int getYourMethod1() { return 0; }
public int getYourMethod2(int) { return 0; }
基本パターン
さて、これまでの内容をふまえつつ、例をもうひとつ。これが基本パターンとなるだろう。番号が10以上20以下の数字ではじまっている行に対して置換を実行するというものだ。
リスト14 置換対象
10: Typo Test
aa: Typo Test
30: Typo Test
bb: Typo Test
20: Typo Test
リスト15 一致対象
Query replace regexp: \([0-9]+\)\(.*\)\(Typo\)
リスト16 番号が10以上20以下の数字ではじまっている行に対して置換
Query replace regexp with: \1\2\,(if (and (<= 10 (string-to-int \1)) (<= (string-to-int \1) 20)) "Type" \3)
リスト17 置換後テキスト
10: Type Test
aa: Typo Test
30: Typo Test
bb: Typo Test
20: Type Test
BASICのようなプログラミング言語において使えるだろう。今更、どれだけ需要があるか不明だが……
とはいえ、処理自体は汎用的なものだ。一致対象に対して置換指定でしぼりこみをかけるわけで、プログラマブルreplace-regexpの典型的パターンのひとつとして覚えておこう。