NECとNECエレクトロニクスは6月14日、無線機器の低コスト化・低消費電力化に不可欠な無線IPコアのデジタル化を推進するデジタル無線技術を開発したと発表した。
位相・振幅の異なる複数のデジタル信号から、歪みの少ないRF信号を合成する技術を開発した。この技術を無線IPコアの変調回路とパワーアンプ回路に適用することで、歪み除去のためにLSI外部に設置する高価な部品が不要となり、低コスト化が可能になる。また、LSI製造後に性能を微調整できるため、設計期間を短縮できる。
また、無線IPコアで受信したRF信号をサンプリングし、そのデータの比較により受信信号を直接データに復調する技術、および無線信号の受信状態に合わせてサンプリング頻度を変える技術を開発した。これにより通信状態に応じて受信回路の動作時間を短縮できるようになり、通信環境に応じて消費電力を低減することが可能となった。
この技術によって、無線IPコアを搭載したLSIの微細化を今後も継続しながら、システムLSIへの無線IPコアの混載を容易にできる。NECおよびNECエレクトロニクスでは、今回の成果が誰でも手軽に利用できるユビキタスネットワーク社会の発展に貢献するものと考え、今後、一層の低コスト化および低消費電力化を実現する無線IPコアの研究開発を進めるとしている。