SUSE Linux Enterprise Serverの多数のコンポーネントはさまざまなライセンスで管理されており、既存製品でGPLv3を採用しているものは1つもない。しかし、ファイルのデコード用に幅広く利用されている「tar」コマンドユーティリティには既にGPLv3が適用されており、Novellもアップデート時にGPLv3コンポーネントを組み込む意向を明らかにしている。
Microsoftの先制攻撃は、学術界にとどまっていたオープンソース化の動きがソフトウェア業界における大きな力となって以来、同社がGPLをいかに真剣に受け止めるようになったかを浮き彫りにしている。このことはまた、プロプライエタリなソフトウェアとフリーソフトウェアの2つの世界が衝突するなかでソフトウェアユーザーが考慮すべき知的財産関連の複雑な問題も示唆している。
この騒動の中心にいるのがNovellだ。同社は両タイプのソフトウェアを販売しており、喉から手が出るほど欲しい売り上げにつながるものの論争を呼んでいる提携をMicrosoftと結んでいる。そのほか、Linuxなどの各種オープンソースソフトウェアが自社の特許を侵害している、とのMicrosoftの主張にも公に異論を唱えている。
RedMonkのアナリストStephen O'Grady氏は、「(MicrosoftとNovellが)現時点でサポート、特許、関係について意見を異にする点を考慮すると、現時点で顧客が疑問に思っているのは、彼らがこの関係をどのように活用するかだ」と語っている。
このクーポンを購入したAmerican International GroupとDeutsche Bankの主要企業2社にコメントを求めたが、即座に回答を得ることはできなかった。
MicrosoftとNovellの提携はGPLv3に関する作業を混乱させることになったが、FSFも新しいGPLに一文を加えて即座に反撃した。
Smith氏は声明のなかで、「自社のソフトウェアを提供した相手に対して特許の保護を提供する場合、その保護対象は、入手方法にかかわらずそのソフトウェアを受け取った全員にも自動的に拡大される。つまり、MicrosoftがNovellの顧客にまで拡大した特許の保護は、NovellがGPLv3で配布するいかなるソフトウェアのユーザーにも拡大されることになる」と述べた。