NEC矢野社長、「2006年度は不本意な1年、2007年度は営業利益1300億円を絶対に達成する」

藤本京子(編集部) 2007年07月10日 21時16分

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 NECは7月10日、2007年度の経営方針説明会を開催した。その中で同社 代表取締役 執行役員社長の矢野薫氏は「2006年度は目標営業利益や半導体事業の回復が達成できず、不本意な1年だった。しかし、2006年は飛躍のための基礎固めの年だったと見ている。2007年度は営業利益1300億円を必ず達成する」との決意を表明した。

 NECは、2006年度の営業利益の目標値を1100億円としていたが、実績は700億円となった。この原因について矢野氏は、「瑕疵(かし)補修引当や売上計上のずれなどでITおよびネットワークソリューション事業が260億円の減収となり、半導体事業の立て直しの遅れからエレクトロンデバイス事業が310億円の減収となったため」と話す。

矢野氏 「絶対」「必ず」という言葉を頻繁に使い、強い意思を表明したNECの矢野社長

 矢野氏は、「2007年度は1300億円の営業利益を確実に達成する」としているが、そのための施策として「まず半導体事業を何が何でもやり遂げる。また、モバイルターミナル事業の黒字化と、再成長に向けた商品力を強化する。さらには、NGN(次世代ネットワーク)を軸とした成長戦略を具体化する」としている。

 R&Dに関しては、「利益は出ていなくとも毎年500億円を投資する。これはいくら苦しくても減らすつもりはない」(矢野氏)と、イノベーションを重視する方針は変えないことを強調した。

 同社のエレクトロンデバイス事業は、子会社のNECエレクトロニクスの半導体事業が大半を占めている。NECエレクトロニクスは2月に新経営方針として、フォーカス分野の絞り込みによる製品競争力の強化や、生産マップ再編によるコスト削減、損益管理強化のための事業組織体制づくり、黒字化に向けた固定費削減策などを打ち出しており、矢野氏は「プロジェクトも順調に進んでいる」として、「2007年度は営業損益ブレークイーブンを達成し、中期的に成長路線を実現する」と述べた。

 苦戦しているように見える半導体事業だが、矢野氏は「半導体事業はNECグループにとって重要」という。それは、NECの半導体とIT/ネットワークの総合力によって、「例えば自動車メーカーに対し、半導体デバイスから車載機、ネットワークおよび車外サービスにまでつながる一体化した提案ができ、新市場を獲得することにつながるからだ」と矢野氏は説明する。

 モバイル/パーソナルソリューション事業については、欧州個人向けPCの撤退により若干マイナスとなるものの、8900億円の売上高を目指す。携帯端末は、デザインやインターフェースなどの改善による商品力を強化すると共に、松下電器産業とのアライアンスの成果も出すことで、「年間黒字化は必達」としている。また、PC事業の利益体質を強化し、NGN時代に向けた新商品やサービスも拡大する。

 矢野氏は、「PCと携帯電話は、ユーザーが直接目にするもので、ブランド維持のため撤退することは絶対にない。現在新しいコンセプトの製品を開発中だ。NECならではの良い製品を出していく」と述べた。

 IT/ネットワークソリューション事業は、市場環境が改善していることもあり、2007年度は前年比4%増の売上高2兆8700億円を目指す。特に、NGNへの流れが顕在化していることから、「NGN構築事業の売上高は2006年度の900億円から2007年度は2000億円まで成長させたい」と矢野氏。また、アウトソーシングの拡大やサービス事業基盤の強化、海外事業での提案力の強化など、「ビジネスモデルの改革も推進する」としている。

 矢野氏は、NECの問題点として「とことんやり抜く姿勢が足りなかった」と話す。そのため、「一度決めた目標は必ずやり遂げる文化にしようと社員にも伝えている。社員の士気は低下しておらず、携帯電話事業も回復しつつある。結果として数字に出るまでやり抜くことが重要なので、2007年は必ず営業利益1300億円を達成する」と述べた。

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