ウェブセキュリティ最前線--グーグルが感じる「再取り組み」の必要性 - (page 2)

文:Joris Evers(CNET News.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、國分真人

2007-07-23 02:40

 Googleはウェブセキュリティにおける自社の役割の重要性を認識しており、本レポートで扱う問題に関する取り組みについてCNET News.comの独占取材に応じてくれた。3月には検索エンジンサイト利用者数でトップに立ったGoogle。それゆえに自社テクノロジを保護するGoogleの取り組みは、ウェブ全体におけるセキュリティの現状を幅広く反映し、極めて大きな影響を及ぼすことになる。

 Merrill氏は「面白くてわくわくするような、高度な双方向性を備えた新しいウェブアプリケーションに誰かが侵入できる可能性については、我々はまだその全体像を把握していない」と言う。「我々は新しい科学技術の最前線にいると確信している。全社一丸となって、ウェブセキュリティにもう一度正面から取り組む必要がある」とも述べている。

 その目的がどれだけ重要なものなのかについては、彼の部門はとても控えめな空気で覆われており、はっきりしない。カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogleの広大な敷地にはビルが点在し、セキュリティチームは1つのビルの一角を占めている。ミッションクリティカルなセキュリティ関連業務で人が想像するような、頑丈な建築物といったイメージとはほど遠い。

 パーティションで区切られた作業スペースからMerrill氏の仕事場を見つける目印は、飼っているダルメシアンのために彼が設置した犬小屋である。周囲には愛犬の写真が飾ってある。その他に備え付けられているのは柔らかそうなソファ、そして2台の大画面ディスプレイを接続したMacなどである。

 セキュリティチームの他のメンバーが使う作業スペースの横には、ダースベーダーの衣装を身に着けたマネキンが立っている。チームのメンバーはGoogleのセキュリティを表す「親しみのある顔」だと冗談を飛ばす(パーティの遺物とのこと)。

 中心となるメンバーは約50名だが、セキュリティで重要なのは製品開発に携わるGoogleの全社員が、責任を持って自社テクノロジの安全性を確保することにある。

 「Googleでの仕事の進め方は、賢い人を採用して、適切なことはとても簡単にできるようにしてあげる。適切でないことは簡単にはできないようにするというやり方。大学を出たばかりの若者から年配の人まで、すべてのレベルで本当に卓越したエンジニアたちに特別なコーディング方法を教えて育ててきた」(Merrill氏)

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