動きの速いIT業界に身を置いていると、はるか昔と思っていたことが、実は、つい最近のことだったという、ちょっとしたタイムトリップのような体験をすることがあります。「日進月歩」ならぬ「秒進分歩」ともいわれるIT業界。時の濁流の上澄みを、そっとすくい上げてみましょう。
さて、今回のテーマは、「蔵出し業界紳士録（前編）」です。
PC業界をリードし、その成長を支えてきた多くのパイオニアたち。かつては「若い」とされた風雲児たちが、今では還暦を迎えたり、定年まであと数年という世代になり、まさに紳士としての風格も漂いはじめています。大手企業で社長や役員にまでのぼり詰めた人、ベンチャー企業を支援する立場に転じた人、そして、いまだに現場で熱い挑戦を続けている人など様々です。今回と次回の2回に渡って、PC業界で活躍し、その後、大きく飛躍した人たちを振り返ってみます。
それではこれから、あなたをIT業界の過去へと誘います……。（画像をクリックすると、次のページへ進みます）
シャープでパソコン事業に携わり、その後、インテルの社長および会長を経て、モバイル・インターネットキャピタルを設立したのが西岡郁夫氏だ。現在、モバイル・インターネットキャピタルの社長として活躍。モバイルやインターネット分野にフォーカスした日本のベンチャー企業に対する資金および経営面でのサポートを行っている。ナビタイムやイーブック・ジャパンが、同社第1号投資ファンドの対象となっている。写真はインテル社長当時の西岡氏。会見ではネクタイをしていたが、90年代半ばから、インテルは金曜日をノーネクタイデーとしており、西岡氏にはむしろ、ノーネクタイの印象の方が強い。自ら、「本音と建前を使い分けるのは苦手」とした歯に衣着せぬ言動は、気持ちいいほどの切れ味だった。（画像をクリックすると、次のページへ進みます）
写真提供：大河原克行
