根本的な理念をめぐる問題
技術的な観点および手続きをめぐる問題に関係なく、今回の投票は、標準化という役割自体に、扱いにくい相違が長きに渡って存在してきたことを示すものとなっている。
Microsoftの幹部たちは、多数の異なった目的を持つ標準規格が存在することこそ、最も世の中のためになると強く主張してきた。Open XMLは、膨大な量のOfficeドキュメントと下位互換性を保つように設計されたのに対して、ODFは、それとは異なる仕様で設計が始まった。
プロプライエタリなソフトウェアに根ざす戦略を長年掲げてきたMicrosoftは、Office製品のオープンアクセスへと方向転換してきたものの、Microsoftのライバルたちは、その標準化を阻もうとしている。一方、Sun MicrosystemsとIBMが推すOpenDocumentは、今回のような投票審査なしでISO標準化手続きを通過したことを、Matusow氏は先日明らかにしている。
Open XMLはMicrosoftのプロプライエタリな規格であると批判する人もいるが、Appleを含め、その他の多くの企業が、ISO技術委員会の一員となり、自社製品にOpen XMLを採用している。
OpenDocument Format Alliance(ODF Alliance)のMarcich氏は、多くの各国標準化団体が、技術的な問題のみならず、知的財産権やプロプライエタリ製品に対する独立性を懸念する意見を寄せているとも述べている。
Marcich氏は「本当に望ましいのは、たくさんの競合する規格ではなく、競合製品による選択肢の増加だ」と語った。
ある関係者によると、Ballot Resolution Meetingと呼ばれる、Open XMLの技術的な問題点を解決する会議は、2008年2月25日〜29日にかけて開催予定であるという。
しかし、IBMのRob Weir氏は、9月2日の投票が多数否決となれば、この会議は立ち消えになる可能性もあると語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ