フォーム検査の利点と今後の改善点
フォーム検査も次のように実装は簡単だ。
フォーム検査を使う
エラーメッセージをあらかじめ準備しておき、決められたclass属性をつけた要素で囲っておけば、エラーが発生するまでは表示されなくなる。また、エラーが発生したらテキストフィールドの色が変わって、エラーメッセージが表示されるという仕組みだ(図5)。スクリプトはやはり、1行程度で完成する。
ただ、このフォーム検査ウィジットについては、まだ本バージョンから搭載されたばかりというのもあって、未完成の感が否めない。例えば、エラーメッセージについてはHTMLには最初から存在していて、CSSによって隠しているだけだ。これでは、音声ブラウザやCSSを無効にした状態では、常に表示・発声され続けてしまい、正しく内容が伝わらなくなってしまう。
標準のCSSを改造したりスクリプトを組み直せば、解消することはできる。しかし、今後のバージョンアップで標準的に、これらが解決できるようになると、実用度はより上がるといえるだろう。今後に期待したい。
豊富なドキュメント・サンプルとディスカッションルーム
このように、まだまだこれからの部分はあるものの、やはりSpryは非常に優れたライブラリといえるだろう。ライブラリの場合、ライセンスが緩い代わりにドキュメントが整備されていなかったり、サンプルが高度すぎて応用できないものなどもあったりして、最初の段階でつまずくことも多い。
しかし、ドキュメントやAPIリファレンスは英語ではあるものの、既に整備されている。また一つのメソッドに一つサンプルが付属しているような箇所も多々あるため、難なく使うことが可能だ。
さらに、Adobe Labs自身がディスカッションルームを準備しており、わからない部分は質問すれば、場合によってはAdobeの開発者自身から回答を得ることもできる場合がある。リクエストや質問を、直接開発者に届けることができるというのは、貴重な場といえるだろう。