育児休暇をめぐって奮闘した5人の親たち--米国最新事情 - (page 2)

文:C.C. Holland(Special to CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2007-09-18 12:00

Davidの場合
カリフォルニア州サンフランシスコ在住
育児休暇取得時の職業:有名国法銀行の金融アナリスト
休暇取得回数:1
課題:妨害する上司への対処
解決法:あくまで父親としての権利を固持し、人事部の介入によってうまくいった

 「妻と私が最初の子供を授かったとき、私は家族と家で過ごすために1週間の有給休暇を取りましたが、それで終わりだろうと思いました。しかし、3カ月後、カリフォルニア州が有給家族休暇制度を導入したのです。この制度は、子供を持つ人が労働不能手当を部分的に受け取りながら最長で6週間まで休暇が取れるというものです。妻と私は、この新しい機会を活用すれば私と子供とのきずなを強めることができ、同時に妻が段階的に仕事へ復帰する助けにもなると決断しました。しかし、上司(自身も2人の子供を持つ母親)にこの要求について話をしたとき、彼女は驚いていました。そして、いかに私たちが既得の権利ばかりを主張して強い勤労意欲を持たない世代であるかについて手短に説教した後で、休暇の要求は承認しなければならないが、出世の面ではあまり良い印象は持たれないだろうと注意を促しました。私もこれには面食らい、妻と考えられる選択肢について話し合いました。また、上司の反応について人事部にいる友人に非公式に話しました。この件について、上司との2回目の面談では私は一歩も引かず、休暇の手続きを進めて欲しいと要求しました。ただし、数週間にわたって毎週金曜日を休むなど、6週間の休暇を細かい単位に分けて取得するという計画を提案しました。上司は、今度はほとんど異議を挟むこともなく私の提案をすべて承認してくれました。後で知ったのですが、人事部がこの件について私の上司と事前に話し合いを持ったらしく、そのために上司が態度を軟化させたのだと思います」

Debraの場合
マサチューセッツ州ランカスター在住
育児休暇取得時の職業:テレビ局のアサインメントエディター
休暇取得回数:1
課題:職場への復帰の交渉
解決法:辞職の意向を示したことによって条件の良いフリーランス職のオファーを受けた

 「私の会社はFMLAで認められている12週間の休暇を取らせてくれましたが、その間は無給でした(現在では部分的な金額を補償してくれるようになっています)。休暇の最後の数週間にはフルタイムの夜勤の仕事への復帰を話し合う時期が迫っていましたが、復帰は困難だと感じ始めていました。通勤時間が片道で1時間かかり、パートタイムで保育所を利用するだけでは子供や夫と過ごす時間があまりにも少なくなってしまいます。私はフルタイムの勤務を誰かと共有または分割することができないか打診してみましたが、会社の方針によって認められないという返事でした。上司の説明によると、全国的なメディアコングロマリットである親会社はフルタイムの管理職としてこのポストを設置したのであって、パートタイムの管理者のような地位は認めらないということ、また、この要求を認めることができないのは、私を圧迫しようとしているためではなく、あくまで組織としての現実だからだということでした」

 「しかし、幸運にも健康保険を夫の保険に切り替えることができ、そうすると一切の問題が解消して、私は仕事を辞めて自宅に近い別のパートタイムの仕事を見つける決心がつきました。ところが意外にも、数週間後には会社の方から一時的なパートタイム制でフリーランスとして復帰しないかと声をかけてくれたのです。私は交渉して時給のアップを勝ち取りましたが、それは会社の保険を利用していなかったことも要因だと思います。それから3年が経ちましたが、私は週2日というペースで――しかも私の保育所利用のスケジュールに合わせて――今でも同じ会社に勤務しています。また、新しく雇われた人の代わりに、以前の夜勤の仕事をすることもあります。私は給料のアップに加えて仕事の柔軟性と勤務時間に満足していますが、それと同時に今では人数の増えた家族との生活も楽しんでいます」

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