業界タイムマシン19XX--Trip11:セイコーエプソン vs. NEC PC-98互換機騒動 - 2/6

大河原克行

2007-09-28 12:00

 ……ようこそ、「業界タイムマシン」のコックピットへ。私は、ナビゲーターの大河原克行です。このコーナーでは毎回、IT業界の歴史を、当時の写真を交えながらご紹介していきます。
 さて、今回のテーマは、「セイコーエプソン vs. NEC PC-98互換機騒動」です。
 1987年3月、セイコーエプソンは、「PC-9800シリーズ互換機」を発表しました。欧米では、標準機となっていたIBM PC/ATの互換機が市場を席巻していましたが、日本では、各社が独自の仕様を発表。その中でNECの「PC-9800シリーズ」が圧倒的なシェアを獲得していました。その独自市場において、セイコーエプソンが投入したのが、国内初の98互換機「PC-286シリーズ」でした。この製品の発売によって、日本の標準機を巡るPC市場の動きは大きく変化しはじめました。今回は、98互換機であるPC-286の登場時を振り返ってみましょう。
 それではこれから、あなたをIT業界の過去へと誘います……。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)
 これがPC-286シリーズの初代機の写真。「Model 1」から「Model 4」までを用意。Model 4は、FDD2基、40MバイトHDDを搭載し、72万2000円。最下位のModel 1は、HDDを搭載せずに37万8000円の価格設定となっていた。年間販売目標は1万台。だが、NECが「BIOSおよびROM部分に類似点が多い」として、4月7日に東京地裁に製造・販売差し止めの訴訟を起こしたことで、著作権問題へと発展。これらの製品は、実際には一度も市場に登場しないまま、お蔵入りになってしまった。セイコーエプソンでは、約1カ月後の4月24日に「PC-286 Model 0」を発表。これが事実上、98互換機第1号製品ということになった。当時、セイコーエプソンの専務取締役だった相澤進氏は、「Model 0のBIOSは、まったく違うグループにより開発されたものを採用している。Model 1からModel 4に関しては、係争中のものを搭載した製品は不安であろうという営業上の見地から発売を取りやめた」と説明した。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

 これがPC-286シリーズの初代機の写真。「Model 1」から「Model 4」までを用意。Model 4は、FDD2基、40MバイトHDDを搭載し、72万2000円。最下位のModel 1は、HDDを搭載せずに37万8000円の価格設定となっていた。年間販売目標は1万台。だが、NECが「BIOSおよびROM部分に類似点が多い」として、4月7日に東京地裁に製造・販売差し止めの訴訟を起こしたことで、著作権問題へと発展。これらの製品は、実際には一度も市場に登場しないまま、お蔵入りになってしまった。セイコーエプソンでは、約1カ月後の4月24日に「PC-286 Model 0」を発表。これが事実上、98互換機第1号製品ということになった。当時、セイコーエプソンの専務取締役だった相澤進氏は、「Model 0のBIOSは、まったく違うグループにより開発されたものを採用している。Model 1からModel 4に関しては、係争中のものを搭載した製品は不安であろうという営業上の見地から発売を取りやめた」と説明した。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

写真提供:大河原克行

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