早くから海外を視野に
「KeyServerを販売したころは、日本のソフトウェア不正コピー率は大変高かったのですが、最近では、日本は世界でも有数のソフトウェア不正コピーが少ない国になっています。ですから、KeyServerについては時代をリードしたところがあったと自負しています。不正コピーの温床だった日本が、現在では不正コピーが減少しているのですから」
クオリティがソフトウェアのライセンス管理を手がけることになったのは、予測していなかったことだが、その後は市場のニーズに応え、ソフトウェアの配布、IT資産管理分野へと拡大・発展してきた。さらにはそれが基盤となって、IT資産管理のみならず、ファイルアクセスコントロールツール「DKS Plus」やクライアントPCのセキュリティ管理の製品など、現在の多彩なラインナップに結びついている。
「私どもは、元来お客様の声を聞くというポリシーでやっています。KeyServerについても当初はKeyServerユーザ会、その後これを衣替えしてPCネットワークの管理・活用を考える会といったユーザーをはじめとした情報システム管理者を組織し、すでに11年活動しています。そこでいただいたお客様の要望が現在のような当社の製品に結びついているのだと思います」
その基盤となるソフトウェア開発では、国内だけでなく海外にもそのパワーを求めている。現在、クオリティは上海、ソウル、シアトルに海外拠点を持っているが、特に上海は開発の重要拠点でもある。日本におけるソフトウェア産業では、現在、優秀な開発者が不足しているという状況であるが、その点上海では優秀な人材が集まりやすい。
同時に、クオリティは海外市場での販売にも積極的だ。
「特にKeyServerは、ソフトウェアの不正コピーを防ぎながら、同時使用ができるということで、日系企業だけでなく、現地の企業も導入を始めています。似たような機能を持った製品は中国にもあるのですが、KeyServerのような拡張性を持っている製品は希少です」
そして、クオリティおよび浦氏が元来備えている視点の広さが、MIJSへの参画にもつながった。
あえてMade in Japanを越える
同社は、MIJSには設立当初から関わってきている。
「現在、MIJSの中核メンバーの方々と昨年春にお会いしたとき『世界へ行きたいですね』という話になり、MIJSの設立が決まったのです。ソフトウェアメーカーは日本市場だけ見ていてはダメだと、メンバーの皆さんは思っていたようです」
その背景にあるのは、海外のソフトウェアメーカーと日本のソフトウェアメーカーの視点の違いだ。