MIJS企業訪問(第12回)ソフトブレーン--品質とサービスで世界一を目指す - (page 2)

宍戸周夫(テラメディア)

2007-10-17 12:00

 「昨年5月、われわれが品川の新オフィスに移転したとき、その見学がてらに何社かの社長さんが来社され、そこで『日本で何かできたらいいね』という話になりました。最初は雑談のような形で始まったのですが、しかし世界一になりたいという思いは皆さんあったと思うのですね。なぜ世界に君臨している日本の業界の中でソフトだけが世界に出ていないのか。なぜ、ソフトは海外製品が主流になっているか。だったら、われわれも海外に出ていこうということでまとまったわけです。そこで8月初めに、最初は13社でMIJSを立ち上げました」

 この思い通り、MIJS設立のきっかけとなったのは日本のソフト会社の海外進出だった。そのひとつの手本がソフトブレーンにあった。同社は中国に進出してすでに10年を経ている。そして、すでに上海に事務所も抱え、eセールスマネージャーの中国語版も提供していたからだ。

 「マーケットがどこにあるか、どのような所に売れるかというように、中国の市場はそれなりに理解しているつもりですので、海外で販売するという道筋のところをMIJSの事務局としてソフトブレーンが先頭に立って推進したいと思っています。つづいて、イギリスにもMIJSの拠点を作る計画です」

 ソフト業界の海外進出について、松田氏はその問題をこう指摘する。

 「現地を知らないというのが最大の問題です。言葉の問題もありますし、習慣や商流の違い、行ってみないと分からないというところがあります。しかし、日本の自動車も家電もその違いを乗り越えて世界に進出しているわけで、ソフトの世界もまず世界に行くという意識を持つことが大切です」

 こうした意識があれば、国内のソフト業界も、海外の言葉も勉強するし、現地の商習慣も学ぼうとするはず。しかし今までは、日本という市場を守るのに精一杯で、日本から海外に出ていこうなんて考えていなかった。その意味では、この1年、MIJSの活動によってソフト業界の意識変革が格段に進んだということは間違いない。

日本が世界一になる理由

 しかし、まだまだソフト業界の新潮流は欧米からやってくる。新しいITのキーワードが次々と生まれるのも欧米である。ソフト業界はまだまだ欧米追従型という指摘もある。

 その現状も松田氏は十分認識している。そこで、MIJSは海外進出という意識変革と同時に、内部に向けては人材育成にも取り組んでいる。MIJSに設置した人材採用・育成部会では、当面の課題として人材交流を進めている。

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