「ほとんど」しかオープン化せず、「すべて」が失敗--事例に学ぶOSSプロジェクト - (page 2)

文:Matt Asay(Special to CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2007-10-24 08:00

 この意味するところは、営利企業はすべてのコードをオープンソース化する必要があるということだろうか。いや、そうではない。ただし、すべてのコードをオープン化することによるその他の利点(見込み顧客がプロジェクトの90%ではなくて全体を評価することが可能になり、販売やマーケティングのコストをさらに低減できることなど)を考えると私個人は是非そうして欲しいと思っている。むしろ企業は、結果として誕生するオープンソースプロジェクトがプロプライエタリなコードを必要とせずに自立できるのに十分なだけのコードを公開する必要があるということだ。

 プロプライエタリなコードは便利な拡張部分に使用することはできるが、中心的な存在理由になるべきではない。

 Linux.comが指摘しているように、自由を欠いたコードの存在はXaraの問題の1つに過ぎない。他の、そしておそらくもっと根本的な問題は、同社がコミュニティーに配慮する姿勢を欠いていたことである。Xaraはコミュニティーの主導権を握っていたかったが、オープンソースの中心的な信条の1つは分岐(フォーキング)する権利であり、それは最も良心的な意味において、プロジェクトのリーダーが思い描いている道筋とは別の方向に自分のコミュニティーのプロジェクトを進めても良いということである。良いオープンソースプロジェクトはこの権利を認め、悪しきオープンソースプロジェクトはこれを拒絶する。

 そして滅んでゆく。Xaraのように。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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