MindManagerで「見える化」実践! スマートなプロジェクト管理(1)--プロジェクトを正しく理解しよう

渡邉安夫(シンプル・ビジョン)

2007-10-29 08:00

 現代のビジネスパーソンは、ビジネスにプライベートに何かと忙しい。

 インターネットの普及に伴ってパソコンに携帯電話とビジネスパーソンを取り巻く情報通信環境は便利になった。しかし、その反面、ビジネス環境や仕事環境は電子化された情報で溢れかえりますます複雑化するばかりだ。

 そんな中で、日頃仕事やプロジェクトに追われるあなたは果たして「スマートにそして創造的に」仕事をマネジメントできているだろうか? そして、自分の時間を楽しむ余裕を持って日々を過ごしているだろうか?

 本連載は、そんな多忙なビジネスパーソンの仕事を先進のビジネスマッピングツールによって革新し、スマートなプロジェクトを創造していく様子を5回の連載に渡ってご紹介していく。

「知識社会」にふさわしいワークスタイルとは?

 現代のビジネス環境は、膨大な情報で溢れかえっている。そして、そこで働く人々は、その情報に押し流されつつある。

01-01 溢れる情報に飲み込まれ押し流される人々。

 21世紀を迎え、以前に比べると一人ひとりのビジネスパーソンがこなす仕事の形態も実に多様化している。その多くの場合が「プロジェクト型」となりルーチンワークとは異なるアプローチやマネジメントスキルが要求される。

 しかしながら、そのプロジェクト型に対応できる人材を育成したり、適切な手法やツールを十分に社員に提供できている企業は決して多くはない。

 本連載では、入社3年目を迎えたビジネスパーソンが、ある日突然上司に呼び出され、あるイベントプロジェクトの責任者として任命されたことをきっかけにこれまでとは違ったマネジメントスキルを身につけていく様子をストーリー形式で紹介していく。

 それまで、言われたことを確実にこなすことを要求された仕事のスタイルから、やるべき仕事を自ら考え出さなければならなくなった主人公の悩みや葛藤を通じて、「情報化社会」から「知識社会」へと変遷する現代社会において、ふさわしい仕事の方法や実践的な業務に役立つ道具の使い方を解説していこう。

プロジェクトリーダー初体験

 この連載の主人公であるAくんは、入社3年目を迎えた若手の中でも次期リーダーとして期待される有望な26歳のビジネスパーソンだ。

 それまで、彼は主に先輩や上司から言い渡された、すでに確定した仕事をさらに具体化し、着実にこなすことで成果をあげていた。そんな彼の着実な仕事ぶりが評価され、そろそろ1つの仕事を任せてみようということになった。

 ある日、彼は上司から呼び出され、来年開催されるあるイベントプロジェクトの責任者として任命される。

上司:今度、我が社で来年2月に開催されるビジネスマッチングイベントに出展することになった。そこで、君にそのプロジェクトをすべて任せたいと思っている。

A君:え? 私がですか?

上司:そろそろ君も自分で何かひとつ大きな仕事を任されてもいい頃だろうと思ってね。君の今までの仕事ぶりはとても評価している。成功を期待しているよ。

A君:はあ……。とても光栄なんですが……ところで僕はいったい何をやればいいんでしょうか?

上司:それをこれから考えるのも君の仕事だ。まずは、イベントの告知サイトを見て概要をつかんでほしい。わからないことがあったら先輩にいろいろ相談してみてくれ。じゃあ頼んだよ。

A君:はあ……わ、わかりました……。

 ……と、こんな具合にプロジェクトはある日を境に彼に一任されてしまったのだ。

 彼がここでわかっていたことは、「2月に開催されるイベントプロジェクトが自分に一任された」ということだけだ。彼にしてみれば、もちろんプロジェクト全体を任されるのは初めてで、これまでの仕事のスタイルとあまりに違うことにちょっと戸惑っている。

 それまでは、仕事の内容や期限、使えるリソースがすでにあらかじめ決まっていて、実行する詳細と手順を考えればよかった。ところが、今回はそういうわけにはいかないようだ。そもそも、いろいろと散在する情報はあるようだが、何からはじめてよいのかまったくわからず、

  • 今自分がどこにいるのか?
  • どこにいけばいいのか?
  • 何をすればよいのか?
  • 必要な情報はどこにあるのか?

 これらを含めて、右も左もまったくわからないといった状態なのだ。

01-02 プロジェクト初期にリーダーが陥る混沌とした状況。

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