成功するM&A教えます--vol.1:衝動買いは失敗の元--ゼロから学ぶ企業買収

文:Geoffrey James
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル 2007年11月06日 12時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 買収先を検討しているなら、小切手帳に手を伸ばす前に合併吸収(M&A)取引の計画と評価の方法に関するわれわれのヒントを研究して欲しい。

 企業合併は、会社を成長させる手っ取り早くて簡単な方法に思える。しかし、そのプロセスは複雑でリスクに満ちている。半分以上の企業合併が失敗している。なぜか。それは企業を衝動買いによって買収してしまうからである。重役たちは、それが本当に適した買収相手なのかどうかを検討する前に、その新しい案件がもたらしてくれる期待に夢中になってしまう。M&Aに関する6回シリーズの第1回では、オファーをする前に企業合併を評価するためのノウハウを検討する。

 他の企業の買収を考えているなら、まずは企業合併を成功させる計画の立案に関する短期集中講座を一読して欲しい。それから、いくつかの有名なM&Aの失敗事例を研究し、巨大企業合併が教える教訓を学んでもらいたい。考慮している案件が、企業合併失敗の進行中の5つの危険信号のどれかを点滅させていないかチェックすることを忘れてはならない。そして、合併候補を真剣に検討する段階に入ったら、われわれのM&Aクイック分析ワークシートを使用して、それが貴社にとって最適な取引かどうかを判断して欲しい。

企業合併の計画立案

 かつて、企業を成長させる最も一般的な方法は有能な人材を雇って徐々に事業を拡大することだった。今日では、他の企業を買収して成長させるのがより一般的になり、かつて「メガマージャー」と呼ばれていた巨大合併もごく日常的なものになっている。結局、買収によってほんの数分の1の時間と労力で新しい市場に飛び込めるのに、なぜ有機的な成長を目指す必要があるのかということだ。

 しかし、話はそれほど簡単ではない。M&Aはかなり一般的になっているが、必ず成功するとは限らない。Daimler-Chryslerの崩壊やTime WarnerのAOL買収の失敗などといった有名な例は別にして、より小型の買収案件でも買収した企業の価値が数年後に縮小してしまったという例は枚挙にいとまがない。実際、すべての企業合併の半分以上は失敗に終わっているのだ。

 成功例と失敗例を分ける要因は何なのか。3つの要因がある。事前準備、交渉そして実行である。この短期集中講座では、潜在的な買収候補を本格的に査定、評価するための土台を築く方法を説明する。

必要事項

  • 買収のための十分な資産(手元現金または会社の持ち株など)。ソフトウェアのような高成長市場では、ターゲット企業の年間売上高の2〜5倍を支払うことを予期しておくこと。従来型の市場では、ターゲット企業の売上高の利息、税、減価償却費差し引き前の利益の5〜10倍を支払うことを予期しておくこと。
  • 約3カ月の期間。
  • 作戦司令室:鍵のかかるファイルキャビネットを備えた鍵のかかる会議室。実際に取引を実行する準備が整う前に提案している買収の案件が外部に漏れてはならない。
  • 投資金融業者:買収の過程は複雑であるから、買収が可能か否かを査定し、プラス面とマイナス面を分析するための金融の専門知識が必要だ。
  • 企業買収に精通した弁護士:買収では、多くの場合規制の厳しい公開株式がからんでくる。法律顧問がいれば、取引を台無しにしたり、悪くすればけ刑務所行きになったりしてしまうような重要事項を漏らしてしまうというリスクを回避できる。
  • 謙虚さ:他の企業を飲み込んで大物になりたいという欲望によって好ましくない意志決定を正当化してしまうのはいとも簡単だ。買収を始める前に、エゴが主要な動機になっていないかどうか確認することが必要だ。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

SpecialPR