Leopard解体新書--第4回:Behind the Time Machine - (page 3)

木下誠(HMDT)

2007-11-08 16:55

バックアップファイルの保存先を突き止める

 Finderでバックアップされたファイルを見ていると、それぞれの日付フォルダの下にシステムが丸ごと入っているように見える。だが、すべてのファイルが毎回コピーされているとは考えにくい。どこかにオリジナルのフォルダあり、そこを参照しているのだろう。これなら、変化していないフォルダを重複してコピーする必要がなくなる。

 たとえば、次の図のように、file1とfile2というフォルダがあるとする。バックアップを取るときに、file1は変更されずfile2の内容だけが変更されたとすれば、file1はコピーする必要はない。

フォルダへのリンク データを重複せずにバックアップするしくみ

 このようなフォルダへのリンクを、ハードリンクと呼ぶ。実は、LeopardではTime Machineのために新しい種類のハードリンクが導入されており、これをArchive Directory Linkと呼ぶ。Archive Directory Linkは、動作が速く、FinderやTerminalでシームレスに利用できるのが特徴だ。

 このリンクはよくできていて、リンクの存在にまったく気づかない方もいるだろう。しかし、巧妙に隠されている程、裏にあるしくみを知りたくなるのが人情だ。このリンクがどのように張り巡らされているのか、あばきだしてみよう。

 どうすればいいのか?──最も簡単な方法は、Time Machineのバックアップに使っているハードディスクを、Tigerが入っているマシンにつなぐことだ。Archive Directory Linkは前方互換性があり、Tigerではエイリアスとみなされるのだ。

Tigerでのぞこう Tigerでのぞいてみる

 このように、多くのフォルダがエイリアスになっていることが確認できる。では、オリジナルはどこにあるのかというと、ハードディスクのルートに「.HFS+ Private Directory Data」というフォルダが作られており、その中にある。このフォルダをのぞいてみると、たくさんのフォルダが作られている。ここにハードリンクされているのだ。

HDDのルート ハードディスクのルートにオリジナルが保存されたフォルダがある

 これが、Time Machineの舞台裏だ。バックアップをできるだけ効率的に行うために、このような仕掛けが用意されているのだ。

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