“お仕着せ”は合わない生産管理
このMCFrameを筆頭に、同社のパッケージプロダクト全般を現場で見ているのは執行役員プロダクト事業本部長の羽田雅一氏。MCFrameの特徴をこう説明してくれた。
「このプロダクトは、ファクトリーオートメーション(FA)やコンピュータ統合生産システム(CIM)を核に日本特有の生産現場のシステムはどうあるべきかを考えながら作り上げていったものです。それをMCFrameというパッケージにまとめたのは1996年でした。プロダクトとして10年以上の歴史があります。日本の製造業には数多くの優れたところがありますが、MCFrameはそれをひとつのフレームワークの上でカスタマイズして取り入れることができるという特徴があります」
欧米型ERPはややもすれば“パッケージありき”という強引なところがある。それに対し、MCFrameはフレームワークという考え方の上で、日本の生産現場のノウハウをカスタマイズしながら取り込むことができるという柔軟性がある。
「日本では欧米の業務パッケージが高いシェアを持っているようですが、生産管理では日本の製造業は高いレベルにあります。日本の製造業は独自に優れた(とがった)部分があって、欧米型のパッケージを持ってきても、“その服じゃ着られない”というケースが生じる訳です」(羽田氏)
財務会計など、法制度などである程度手順の決まっているものは“お仕着せ型パッケージ”でもいいが、ユーザーが独自に工夫している生産管理や販売管理では、それは通用しない。ユーザー個々の要望があり、それを吸収できる懐の深さが必要だ。お仕着せ型パッケージとは一線を画す、フレームワークの上でユーザーの要望を取り入れることが可能なMCFrameは、こうしたニーズにピッタリだ。
MCFrameはユーザー企業の海外進出に伴い、海外での導入事例も増えてきているが、今後は現地企業への浸透がひとつのポイントになる。社長の千田氏がこう話す。
「日本の製造業で、たとえば中国にも事業を展開しているというお客様に評価されているということでは、まだ真の海外企業に評価されているということにはなっていません。それが私どもの今の壁です。しかしながら、考えてみれば欧米の企業も独自の生産管理のパッケージを持っていて、それがなかなか日本には入って来られないので、生産管理というのはパッケージとしてグローバルに一様にはならないという側面もあります」
同社は上記の難しい課題を、MIJSを舞台に解決しようとしている。