日本のソフト会社の足並みを揃える
千田氏が言葉を続ける。
「欧米の独立系アプリケーションベンダーの海外展開は、昔であればIBMのOSに乗って、今ではマイクロソフトのWindowsや.NET、あるいはオラクルのミドルウエアといった世界共通の基盤に乗って世界各国へと販売展開される。このアプリケーションと基盤のタイアップは強大な力になっています。それに対し日本のソフト会社には共通的な基盤がありません」
共通基盤がないためか、日本のソフト会社はバラバラだった。その足並みを揃えようというのがMIJSの大きな目的。つまり、技術部会の製品連携などの取り組みは、日本のソフトがグローバル市場で戦うためにも必要不可欠という見方だ。
「特に海外に進出した日系企業は、ITに関しては何でもやって欲しいというニーズがあります。そこで日本IBMとか富士通とか、大手ベンダーに声をかけることになるわけです。それに対抗するのがMIJSの活動です。お客様がシステムを全部見て欲しいといわれたとき、それぞれの製品がつながっていなければなりません。そこで技術部会の取り組みが重要になるのです」
オーバーシーズの取り組みも技術部会の取り組みも、同社の中では一体化しているようだ。
かつて日本のIT企業は、日本政府の保護政策の中で守られてきたという経緯がある。外資からの防衛という面では良かったのかもしれないが、その一方で日本のIT企業にとっては世界に打って出るという姿勢がもともと薄い。日本の市場はそれほど小さいものではないので、そこで平安に過ごしていればいいという意識も生まれた。ソフト業界で、その海外進出の思いを取り戻す基盤がMIJSだというのが千田氏の考えだ。
「マンガやゲームは世界に出ていっています。つまり、日本のネイチャーが出ていけばうまく行くのですよ。MCFrameは製造業という、ある意味で日本の中でとがっているところで鍛えられているので、その特徴をアピールしていければいいと思います。まずはMIJSの枠組みの中で日本の企業と一緒に出ていき、そこでグローバルなニーズを聞いてユニバーサルなプロダクトにしていければと思っています」
MCFrameは、今は日本のローカルなプロダクトかもしれない。それをMIJSの中でグローバル展開し、そしてユニバーサルなプロダクトにするというシナリオが千田氏の頭の中にあるようだ。