MindManagerで「見える化」実践! スマートなプロジェクト管理(4)--情報の管理と再利用を効率化しよう! - (page 5)

渡邉安夫(シンプル・ビジョン)

2007-11-19 08:00

情報活用・マネジメントの効率をさらに高める

 本格的な活動を開始したプロジェクトにおいては、進行の過程で日々、様々な変化が生じる。プロジェクトマネージャーにはそんな状況下でも、常に冷静かつ的確な対応が求められる。

 A君は、これまでチームメンバーとして上司に報告してきたように、週次でプロジェクト報告を続けてきた。しかしながら、当初の計画と比べると、状況もかなり変ってきているようだ。

 そんなある日、A君は久しぶりに上司から呼び出された。

A君:部長、お呼びですか?

上司:ああ、久しぶりだねA君、例のプロジェクト順調に進んでいるようだね。その後のプロジェクトが状況がどうなっているか報告してもらおうと思ってね。今日は現状報告をカンタンにしてもらうだけでいいんだが、近々部門長会議で報告をしなければならないので、至急プロジェクト報告書を作成して欲しいんだ。

A君:プロジェクトの状況は、これまでメールで報告してきた通りなんですが……。何か別の報告書が必要なのでしょうか?

上司:ああ、その時々の状況についてはメールで報告をもらっているのでわかっている。しかし、部門長会議ではもっとプロジェクト全体の経過や実績報告が必要なんだよ。予算と実績の報告や、スケジュール上の進捗状況、そして関連する詳細情報などをわかりやすく整理してもらいたいんだ。

A君:はい、わかりました。それで、その報告書はいつまでに提出すればいいんですか?

上司:会議は、あさってなので明日中には私の手元に届くように頼むよ。

A君:え。明日、ですか?

上司:そう。明日。

A君:ハイ……とりあえずがんばってみます。

 A君は、これまでプロジェクトの状況を週次で上司にメールで報告してきた。これは、プロジェクトメンバーとして、すでに習慣となった作業なのでA君にとっては慣れたものだった。

 しかし、今回はプロジェクト責任者としてプロジェクト全体の状況をいつでも簡潔に報告できる状態にしておかなければならない。

 実質、約1日という厳しい期限内に報告書をどう整理し、まとめていいのか途方に暮れたA君は先輩の元に相談にやってきた。

A君:先輩、ちょっと助けてくださいよ〜!

先輩:どうしたんだい、A君、そんな困り果てた顔して……君らしくないじゃないか。

A君:実は、さっき部長に呼ばれてプロジェクト報告書を提出するよう頼まれたんです。

先輩:ああ、当然だろうね。今週は部門長会議があるから。それがどうかしたのかい?

A君:「どうかしたのかい?」じゃないですよ! 先輩、明日までですよ! 明日! とても間に合いませんよ!

先輩:まあまあ、そう慌てるなって。僕がとっておきの方法を伝授してあげるから安心しなよ。

A君:ほ、本当ですかっ、先輩! でもどうやって……?

先輩:これまでチームで共有してきたプロジェクト関連のマップがあるだろ。そこに様々な情報を記録したり、外部の情報をリンクしてるはずだよね。プロジェクトの予算ファイルやスケジュール、中間成果物などといったファイルサーバに散在していた情報もマップに関連付けられているはずだ。

A君:はい。先日の先輩のアドバイスのおかげで関連する情報は一通りリンクしてあります。でもだからといって、それじゃあ報告書にならないですよね。MindManagerのマップをそのまま提出するわけにもいかないし……。それに部長はMindManagerは使っていませんよ。

先輩:MindManagerには、マップからWord文書にエクスポートする機能がついているんだ。必要に応じて報告書に相応しいトピックを編集して出力すれば報告書をすばやく作成できるよ。

A君:そんなことも出来るんですか? それなら明日までに何とかできるかもしれません。早速やってみます。ありがとうございましたっ!

 プロジェクトには様々な利害関係者(ステークホルダー)が存在するため、情報の共有はもちろん、随時、適切な報告が求められる。

 多くの場合、プロジェクトの実行・調整に注力するあまりに、報告書作成といった業務は一夜漬けのやっつけ作業になりやすい。ただでさえ未知な活動に時間を取られているにも関わらず、さらに報告業務のために多大な労力と時間を割かなければならないのだ。さらに、プロジェクト終盤ともなるとこうした文書化業務がプロジェクトの実行時間を圧迫するような悪循環に陥ることさえある。

 プロジェクトマネージャーは、こうした無駄な時間を可能な限り削減し、本来のプロジェクト実行やチームとのコミュニケーションに注力しなければならない。

 そのためには、アウトプットする際に、その都度考えるのではなく、最初に「考え始める」段階で、アウトプットすることをあらかじめ想定しておくことが大切だ。

 ここからは、情報の活用・マネジメントという観点で優れる、MindManagerがサポートする強力なインプット機能やアウトプット機能を紹介しよう。

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