ソリューションを設計、配備するときの大きな懸案の1つは、モバイル機器とバックエンドシステムとの間のデータ管理だった。書類を使用したプロセスですでに多大な遅れを経験していることから、スタッフはなるべく早急に機器からデータを送信できるようにすることを強く要求したが、これは注文を取り損なうリスクに対する防御策にもなる。
市場に出回っている多くのソリューションは、同期作業の合間に注文を取りまとめ、機器がオフィスに接続したときに多数の注文を一気に送信するという方法を採用していた。しかし、受注プロセスの即応性を改善したいという会社の目標に適合させるため、Fossilは在庫情報のダウンロードと新規注文のアップロードをリアルタイムで実行できるソリューションが見つかるまでさらに検討を続けた。
Fossilは最終的に特殊モバイルアプリケーション開発企業のSpectra Interfaceに問題解決の協力を依頼し、同社のSpectraxシステムを導入してモバイル機器との間の注文と在庫情報のフローを管理することにした。モバイル機器にはSymbol Technologies MC70 PDAが選ばれた。その理由は、「Windows Mobile」アプリケーション環境の柔軟性とバーコードスキャナが組み合わされており、注文処理のための在庫情報入力を簡素化することができるからである。
「このソリューションの実に理想的な点は、NAVと完全に統合されたことだ」とStanger氏は述べる。「以前に同期ソリューションやその他のソリューションの使用を試みたことがあるが、それらと比べるとほとんど労力が要らないと言ってもいい。完全に統合されており、統合のためのあらゆる厄介な作業や、データの同期や管理の優れた手段を探す手間が不要になった」
Spectraxを使用すると、注文を受けたときに在庫情報がダウンロードされるので、営業スタッフは注文品を期限内に納品できるかどうかが即座にわかる。