トランジスタ誕生60周年--その生い立ちと未来

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年12月27日 08時00分

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 1947年12月16日、Bell研究所の2人の研究員、John Bardeen氏とWalter Brattain氏が世界初のトランジスタを開発した。

 点接触型トランジスタと呼ばれるこのトランジスタは、電気を通し、信号を増幅させた。現在は、大きくて繊細な真空管など、ほかのコンポーネントを使って信号を増幅させている。

William William Shockley氏(下)、John Bardeen氏、Walter Brattain氏。
提供:AT&T

 その後間もなく、2人の同僚であるWilliam Shockley氏が接合トランジスタを開発した。トランジスタを開発したのはBardeen氏とBrattain氏が最初だが、Shockley氏のトランジスタが科学、産業の基礎となった。

 Intelの最高技術責任者(CTO)、Justin Rattner氏は、「(トランジスタは)われわれの情報に関する考え方について大きな影響力のある機器だ。情報とは、音楽からテレビまですべてを指す」と述べ、さらに次のように続けた。「現代の通信は、アンテナに何メガワット注ぎ込めるかではなく、すべて情報の理論に基づいている。これは、それらのわずかな微弱信号をいかにうまく発見し、利用するかということだが、それはコンピューティングの問題だ」

 またRattner氏は、「iPodに真空管を5つも組み込むことはできない」と付け加えた。

 トランジスタは情報の保存や信号の送信を容易にする以外に、やや意外なもう1つの特徴がある。それは、時間の経過とともに一定のペースで小型化する点だ。この特徴により、トランジスタと電子製品の価格は着実に低下し、また速度も着実に高速化している。

 この効果は、結局ムーアの法則と呼ばれている。投資家たちは、このムーアの法則に促されて、ハイテク業界に資金をつぎ込んでいる。というのは、人々は今日手に入るハイテク製品よりも明日手に入る製品の方が明らかに優れているとの確信を少なくともある程度は持っているからだ。リスク許容度の高さは、シリコンバレーの決定的な特徴の1つとなった。

 しかし一方で、ムーアの法則はハイテク企業にとっては脅威でもあった。新しい製造技術やコンポーネントに投資をしない企業はすぐにライバル企業に遅れを取ってしまう。よって、技術革新は、単に市場で生き残れるか否かの問題となった。

 仮にムーアの法則が終われば、これまで慌ただしかったライフスタイルが減速する。消費者は、現在のような速いペースでコンピュータなどの機器を買い換えることを止め、壊れた時にだけ新たな製品を購入するようになる、とVLSI Researchの最高経営責任者(CEO)、Dan Hutcheson氏は語る。

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