相補的な従業員をペアにする。オーバーアチーバーは、やることなすことすべてに完璧なわけではない。ほとんどのオーバーアチーバーは得意な分野がある代わりに不得意な分野もある。しかし、従業員をうまくペアにすることによってそうした弱点をカバーできる。1人で仕事をすることが好きな一匹オオカミでさえも、適切な協力者の存在によって自分の仕事がはかどることに気づくだろう。例えば、救世軍が全国各地から収集したデータの品質を改善する必要に迫られたとき、White氏は自分のチームの2人のオーバーアチーバー(アイデアを出す人物と詳細をフォローする人物)をペアにしてその問題を解決した。アイデアを出す役回りの従業員が、単にスプレッドシートに数字を入力してもらう代わりにアンケート形式でデータを記入してもらったらどうか、というアイデアを提案した。そして、具体的な指示を実行する役回りの従業員が、そのアイデアをうまく取り入れて締め切り前に予算内でソフトウェアのプログラムを書き上げた。
コーチングの社風を醸成する。オーバーアチーバーを集団行動に参加させる1つの方法は、他の従業員を指導またはコーチし、継続的なフィードバックを提供するように彼らに頼むことである。「彼らがプロセスの一部としてかかわれるように支援することだ」とMay氏は提言する。「彼らは貢献できる多くのものを持っているし、また注目の的になるのも好きなので、それをうまく活用して誰か他の従業員を指導させるのである」。ただし、オーバーアチーバーが過度に批判的にならないように陽性強化を重視するような指導ガイドラインを設定すること。
核心的な事項
指導プログラムを策定する
IBMのTop Talent Mentoring Programではリーダーになる素質を示している従業員に対してマンツーマンのコーチングを施す。会社側は社内のマネージャーまたは幹部と従業員をペアにして、彼らが自分のゴールを学び、昇進の機会を認識できるようにする。次に幹部は統率スタイルなどのスキルを微調整するための一助として定期的にフィードバックを提供する。
リーダーの役割を果たせる資質を持つ従業員を見いだすために、IBMのSmith氏は持続的に高いパフォーマンスを達成しているか、鋭い自己認識を持っているか、積極的な役割モデルの特性を備えているかを基準に判断するという。次にSmith氏はそうした従業員と、関心分野が共通している、または彼らが目指している仕事を職務としている幹部を組み合わせる。指導プログラムによってオーバーアチーバーは思慮深い助言とともに、自分自身の価値を学ぶ機会が得られる。「オーバーアチーバーは他人と差を付けたいがために自分が会社とどのようにかかわっているか、自分がどのように見られているかを知ろうとする」とSmith氏は言う。「十分に時間をかけて彼らが現在どのような価値を持ち、そしてそれが会社の戦略とどのように結びついているかを理解させ、将来に仕事の機会があるという実感を彼らに持たせることが重要である」(Smith氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ