もしかすると、ベンダーの製品は緊密に統合されすぎていて、返って逆効果なのではないだろうか。もちろん、SOAについての話である。SOAは本来、パッケージERPやCRMシステムような形で「買う」ものではない。
第一に、SOAは(高度な意味では)哲学であり、(実務的なレベルでは)方法論であるため、単独の製品としてとらえることはできない。第二に、「パッケージ化された」SOAスイートを買うという考え方は、あらゆるベンダーおよびサービス企業のソリューションを自由に交換できるとする、SOAの基本概念に反する。第三に、高価なパッケージアプリケーションを購入してしまうと、多くの企業にとって最善の道である「初めは小規模に」という方向から外れることになる。
にもかかわらず、多数のベンダーが自社製品を「サービス対応」にして、SOAを表面的に実現する近道へ顧客を誘導している。インフラストラクチャやアプリケーションスタックの中核におけるSOAへの取り組みを大幅に進めてくれることから、こうしたパッケージは企業にはきわめて魅力的に映るはずだ。
Judith Hurwitz氏は最近の自身のブログで、SOAの購入と構築についての賛否を論じ、パッケージアプリケーション製品を介してSOAに移行することにCIOが戸惑いを感じるのも無理はないと述べた。とりわけ次の問題は、よくよく考えねばならない。