PLM導入は企業の“もの作り”において最重要課題--オラクルのPLM担当者

山下竜大(編集部)

2008-02-14 20:42

 日本オラクルは2月14日、Oracle Corporationプロダクト&インダストリ担当バイスプレジデント、Chris Farinacci氏の来日に伴い、同社のエンタープライズPLM戦略とグローバルの市場動向に関する説明会を開催した。

 Farinacci氏は、「PLMが実現する革新は、顧客にとって経営上の最重要課題であり、戦略的な目標でもある。また、あらゆる業務において、職務の枠を越え取り組まなくてはならない分野だ。従来、PLMはエンジニアリングだけで良かったが、現在ではCRMやSCM、ERPなどを統合したエンタープライズPLMが求められている。PLMも進化している」と話す。

 こうした潮流は、グローバルな製品開発や製品の多様化と複雑化、規制やコンプライアンスおよび品質の向上に対する高い要求、IP管理/セキュリティなど、PLM導入における課題が顕在化していることに起因している。エンタープライズPLMでは、統一された情報基盤を構築できる機能を提供することで、こうした課題を解決しようとしている。

 Farinacci氏は、「我々のエンタープライズPLMを導入することで、製品革新が加速し、最大限の収益性を担保できる。また、情報やプロセス、意思決定の管理を製品ライフサイクル全体にわたり、グローバルに実施することができる」と話している。

 具体的には、ハイテク、ライフサイエンス、自動車、航空宇宙と防衛、一般消費財などの分野向けの「Agile PLM」や食品/飲料分野向けの「Agile PLM for Process」、CADデータを可視化できるソリューションである「AutoVue」などの製品を活用することで、顧客や製品、設計、コスト、サプライヤー、製造、サービス、コンプライアンスなどの情報を統合したPLMを実現する。

 PLM環境の統合には、同社のアプリケーション統合アーキテクチャ(AIA)を採用し、柔軟性の高い業界標準ベースの統合を実現している。また、すでに導入されている製品のサポートを継続することも明らかにしており、既存の投資を有効に生かしながら統合されたエンタープライズPLMを実現することができる。

 日本市場においては、日本オラクルのリソースを最大限に活用し、ハイテク、ライフサイエンス、一般消費財などの分野を中心にビジネスを展開していく計画という。

 Farinacci氏は、「Agileは、売り上げが1億5000万ドル程度の会社だったので、これまで日本市場ではそれほど知名度がなかった。しかし、Oracleに買収されたことで日本市場におけるビジネスの機会を大きく拡大することができる」と話している。

オラクルのChris Farinacci氏 Chris Farinacci氏は、2007年5月のOracleによるAgile Softwareの買収に伴い現職。PLMに関わるグローバルのマーケティング組織とマーケティングイニシアティブのすべてを統括している。

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