ウェブ世界の帳票のあり方を追求する--アクシスソフト:実は重要な帳票(5) - (page 3)

宍戸周夫(テラメディア)

2008-02-20 19:30

地方自治体での外字対応は必須

 Biz/PrintServerやPrintStream Coreを導入する企業はさまざまあるが、永井氏は「企業規模はあまり関係ないですね」という。

 「いわゆる帳票専業の企業と違って、当社はウェブで業務システムを成り立たせるためのソリューションを提供しているわけで、入力のBiz/Browserと出力のBiz/PrintServer、PrintSteam Coreを“対”のソリューションとして提供しているのです。そして、そこで重視したのはスピードです。つまり、ウェブでの業務をどうしたら生産性よく運用できるかということから、これらのソリューションが作られているのです」

 すなわち、ウェブというキーワードに合致すれば、どのような規模の、そしてどのような業種でも同社の帳票出力システムを利用できるというのが、同社の基本的なスタンスだ。

 たとえばといって挙げたのが、日本を代表する印刷会社の大日本印刷だ。同社の中で食品や飲料などの包装パッケージ資材を開発・製造する包装事業部は、顧客への企画提案から製造、そして印刷、出荷までの業務をウェブシステムに移行したが、その帳票の印刷管理はすべてBiz/PrintServerが行っている。

 同事業部はウェブシステムに移行した段階でさまざまなプリント関連ツールを利用したが、コストや操作性で問題があった。しかし、Biz/PrintServerはHTMLベースの帳票作成ツールを利用して画面と同じイメージで、精度の高い帳票が簡単に開発できるというメリットが評価され、導入に結びついた。また、PDFファイルが容易に作成できることも決め手になったという。

 特に外字の出力にこだわった導入事例として、IT先進都市として有名な兵庫県西宮市役所がある。同市はこの4月から施行される後期高齢者医療制度における保険料徴収事務システムにBiz/BrowserとPrintSteam Coreを導入している。

 もともと、住民基本台帳や税務などの基幹業務はホスト系システムで構築していたが、運用コストの削減とユーザビリティの向上を目的に基幹業務のウェブ化に着手。その中で、地方自治体には外字対応が必須課題となった。

 戸籍の文字はすべて正確に出力する、つまり個人の名前や住所などをすべて正しい文字で表現するためには外字での表現を必要となるため、西宮市は、Biz/Browserとともに外字対応で特許を取得しているPrintStream Coreを採用した。行政情報システムのウェブ化では特にPrintSteam Coreの外字対応が決め手になった。

 ウェブという先進的なコンセプトに帳票という日本特有の文化を合体させようという取り組みは、非常にユニークであるとともに有益というべきだろう。

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