そしてLacey氏が第三のポイントとして挙げたのが標準化活動に対する貢献だ。2007年11月、IT技術の認定制度の標準を議論するために業界を代表する企業数社がITCC(IT Certification Council)を設立したが、LPIもそのメンバーに名を連ねている。このことが、LPIによる業界標準としての認定プログラムの提供につながると同氏は言う。
継続した成長を目指すために
このように大きな成長を遂げたLPIだが、今後もそれを継続させるために、3つの柱である「安定性」「イノベーション」「成長性」のそれぞれの強化に努めている。Lacey氏は、LPIが先へ進むために実施しているさまざまな試みについて語ってくれた。
まず認定制度としての安定性を高めるために、運営体制そのものの強化を行っている。「運営する組織が安定していなければ制度そのものが成り立たない」(Lacey氏)からである。これには、より安定した運営を行うための組織改革や、試験の開発体制の強化などが含まれる。また、これまではカナダのトロントにLPIの本部を構えていたが、現在、よりIT系企業との距離が近いカリフォルニアへの移転を進めているところだという。
イノベーションという面では、常に新しい試験を開発することでプログラムの活性化を目指している。2007年にスタートしたレベル3認定では、Linuxのコアテクノロジーをカバーする「301 Core Exam」と、OS混在環境の設計や管理をカバーする「302 Mixed Environment Exam」という2つの試験が用意されている。これに対して、2009年2月末をめどにセキュリティ分野を対象とした新しい試験をリリースする予定だという。レベル3の試験はこのようにコアの上にさまざまなトピックを積み上げていく構造であり、これによってさまざまな新しいプログラムを導入することが可能となっている。
成長性に関しては、まず2007年中に参加国の15カ国増やし、マスターアフィリエイト(LPI-Japanのように各国に置かれた組織)の数は2倍になったという実績がある。またIT教育機関との連携では、アカデミック認定校が新たに約100校追加された。この躍進を受けて、Lacey氏は2008年の意気込みを次のように語る。
「組織改革によって、LPIはより成長を促す組織に生まれ変わりました。例えば、これまではLPI本部が直接世界中の支部を統括していたのですが、新体制では地域毎にマネージャを設置し、その地域の実態により強くフォーカスを当てられるようになっています。地域単位での企業との提携なども可能になりました。今年は大きく躍進した2007年と同じか、それ以上の成長ができると考えています」