進化するテレビ会議(8)--導入しやすくなってきた会議システム - (page 2)

橋本啓介(CNAレポート・ジャパン)

2008-04-03 12:00

 「デスクトップ」は、机上での使用を想定した製品だ。「テレビ電話」、「PCソフトウェアアプリケーション」のほか、ディスプレイ、マイク、スピーカーなどが「一体型(オールインワン)」になった製品がこの範ちゅうに入る。PCソフトウェアは、ノートブックPCにインストールすればモバイル用途でも使える。一体型は、PCモニタとしても活用できる製品が多い。

 価格については、テレビ電話は数万円台からあるが、ビジネス向けだと30万円以上の製品もある(価格についてはシステム構成によって変わるためあくまで目安として頂きたい)。PCソフトウェアは、1ライセンス数万円から、一体型は、だいたい30万〜70万円あたりの価格レンジで提供されている。

 「セットトップ」は、コーデック本体上部にカメラが装備されるのが基本構成だ。テレビモニタの上に置いて使用することを想定しているからで、小規模から中規模会議向け(対応人数は一拠点あたり数人から十人程度)に開発されている。

 このタイプは、カメラトラッキングなどのユーザインターフェースの部分や3拠点以上同時にテレビ会議を行うための装置である多地点接続装置(Multipoint Control Unit:MCU)を内蔵したもの、あるいは周辺機器との連携など拡張性に優れた端末が提供されている。価格は70万〜200万円を越えるものが多いが、基本機能に絞ったエントリータイプだと50万〜60万円台あたりから提供されている。

 ハイエンドタイプになると、大型ディスプレイなどを内蔵した「ルーム」タイプがある。製品によっては、台車が付いたタイプで押したりして移動できるロールアバウトというものもあるが、基本的には会議室に据え置くタイプが一般的。大型会議室(対応人数は一拠点あたり十数人以上)や役員室など向けに各社から販売されている。このタイプになると端末と言えども若干重厚長大さを感じさせる。製品としては大型プラズマを内蔵した据え置き型テレビ会議システムなどがある。価格は400万〜1000万円近いものもある。

 そして価格的にその上位に位置する「テレプレゼンス」は、コーデック、マイクスピーカー、ディスプレイ、テーブル、椅子、ライティング、防音システムを、会議室の施工も含め一体にして提供しているパッケージ化システムと言える。システムのみ、あるいはネットワークサービスも含めたマネージドサービスとして提供するものがある。価格は初期投資で数千万円以上、ランニングコストも数百万程度はかかる場合がある。

 その他、システムインテグレーション用としては、コーデックタイプがある。その名の通りコーデック部のみ提供している製品だ。拡張性やシステム連携などに柔軟に対応できるのが特徴で、各種映像ソリューション向けに提供されている。


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