まずは「トップの関心を引く」
Newsum氏は、その解決に「マッキンゼーの影響モデル」が役立つという。企業が経営変革を行うためには、まず社員の考え方を変えなければならない。「理解の促進」のフェーズでは、Enterprise 2.0を主要な経営課題にフォーカスする形で展開することで、トップの関心を引くことがスタートとなる。
次の「ロールモデル」では、未来志向者によるいくつかのパイロットチームを結成し、Enterprise 2.0が組織にとって価値のあるものだということを知らしめる活動を行うことが有効だ。だが、単に「Wikiは便利だ」といったあいまいな表現では、経営層には響かない。利点を定量化し、例えば「作業時間が30%短縮した」「利益率が2%向上した」などの具体的な効果を示すことが大事だという。
そして3番目の方法が「人材・スキルの育成」である。幹部の理解が得られたら実用主義者にメッセージを伝え、できるところからトレーニングしていく。さらに、4番目の「公式な仕組みによる強化」では、保守派にも活用を奨励することで、懐疑派も追従するようになり、採用が加速化するという。
「Enterprise 2.0を展開するにあたり、組織内で対立が起こることもあるだろう。そのため、どの部門に対し、どんなスピードで、どのように採用していくのかを見極めることが大事」とNewsum氏はアドバイスする。最後に「Enterprise 2.0は産業全体が最適化する上で必要なものだと信じている」と述べ、講演を終えた。