電機大手11社の2007年度決算を読む--パイオニア・ビクター・三洋

大河原克行 2008年05月30日 08時00分

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一大転換期を迎えるパイオニア

 パイオニアは売上高が2.8%減の7744億円、営業利益は12.7%減の109億円、継続事業税引前利益は前年の赤字から黒字転換し34億円、当期純損失は179億円と最終赤字となった。

 DVDドライブやBlu-ray Disc関連デバイス、カーオーディオ製品、カーナビゲーションシステムの売り上げは増加したが、プラズマディスプレイやDVDレコーダーの売り上げが減少。さらに、プラズマディスプレイの生産設備などの減損として233億円を計上したことや、繰延税金資産の評価に伴い税金費用が増加したことが影響した。

 部門別では、カーエレクトロニクス事業の売上高が前年比4.5%増の3738億円。また、ホームエレクトロニクス事業の売上高は前年比8.8%減の3295億円、営業損失は179億円と21億円赤字が拡大した。ホームエレクトロニクス事業では、北米や欧州を中心にプラズマディスプレイの販売台数が減少。同セグメントにおけるプラズマディスプレイの構成比は前年度の約49%から約40%に減少した。

 同社ではディスプレイ事業の収益性の改善に加えて、Blu-ray DiscプレイヤーなどのAV事業、DJ機器を扱うプロSV事業などの拡大により、2009年度はホームエレクトロニクス事業の黒字化を目指すという。

 パイオニアはAV機器の大規模な転換期を迎えている。今年夏からはプラズマパネルを松下電器から調達、今年8月にはシャープから液晶パネルの供給を受けた液晶テレビを欧州市場を皮切りに投入する。さらにBlu-ray Discはプレーヤーに特化するとともに、PC用のドライブに重点を置く姿勢を示した。

 また、生産を終了するプラズマの生産拠点をテレビ本体の生産や国内物流、検査拠点へと転換する。スピーカー事業では昨年10月に完全子会社化した東北パイオニアに、車載用や家庭用スピーカー製品、携帯電話やテレビに組み込むスピーカーユニットまでの開発、生産機能を集約し、事業の効率化を図る。加えて、シャープとの提携による薄型テレビ向けのスピーカーの開発にも注目が集まる。

 こうした事業変革への取り組みを推進するパイオニアにとって、今年は体質強化に向けた重要な年となるだろう。

 同社では次年度の見通しとして、売上高が0.7%増の7800億円、営業利益は35.8%減の70億円、税引前損失は下半期の構造改革費用150億円を計上して75億円の赤字、当期純損失は190億円と、減収減益を見込んでいる。

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